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知財部員が受ける研修とは?

知財部員が受ける研修とは?

みなさんは、知財部員が受ける研修とお聞きし、どのようなイメージをされるでしょうか。

人材の育成を目的とし、知財部に関わらず研修が行われていると思います。

しかし、知的財産の研修と聞くと、産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)に関する法律を覚えるのは大変なのではないか、多額の自己投資が必要になるのではないか、など不安に思うことも少なくないかもしれません。

本日は、特許庁やINPITをはじめとした研修の機関・内容・期間・費用などをまとめてみましたので、ぜひご覧ください。

また、セミナーなどの情報収集の方法や、研修で得た知識がどのように活きるのかも記載しています。

そちらも見ていただき、今後の社内研修や自己学習の計画を立てる際の参考になればうれしいです。

※掲載情報は2022年2月現在のものです。最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください

研修機関は?

知財部員が受ける研修機関には

  • 特許庁
  • INPIT(工業所有権情報・研修館)
  • 発明推進協会

などがあります。

機関ごとの特徴を、それぞれご説明していきます。

特許庁

特許庁は日本の産業財産権を取りまとめる機関

  • 産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)の適切な付与
  • 産業財産権施策の企画立案
  • 国際的な制度調和と途上国協力の推進

などを行っている組織です。

知財部員となり、特許や意匠の出願を担当された場合、特許庁に書類を提出することになります。

この審査を行っている機関の研修を受けることで、知財部員としてのスキルアップを図れることは、言うまでもないでしょう。

INPIT(工業所有権情報・研修館)

INPITは知的財産に関する情報提供を行う機関

  • インターネットを通じて特許広報などの工業所所有情報の普及を図る業務
  • 人材育成業務
  • 海外展開を目指す中小企業などへの知財支援

などを行っています。

INPIT(工業所有権情報・研修館)の歴史を遡ると、特許庁内の組織として誕生しています。

平成13年に現在のINPITとして新たなスタートを切りました。

産業財産権を活かした実務に関わる機関の研修を受けることで、知財部員として実務経験のための知識が身につくでしょう。

発明推進協会

発明推進協会は、特許庁の前身である特許局によって創立された協会です。国からの知的財産に関する業務を受託する機関で

  • 知的財産権制度の普及啓発にかかる研修事業
  • 図書刊行事業
  • 知財に関する調査研究事業

などを行っています。

具体的には、知的財産に関する国際交流のための会合や、知的財産に関する凡例研究会を開催しています。

特許・意匠・商標の各種調査・分析・翻訳・監視などを行う「IPコンサルティング」も実施しており、知財部の実務担当者と近い業務を行っている組織と言えるでしょう。

受講内容は?

知財部員向けの各機関の研修として、以下があげられます。

機関名 研修内容
特許庁 知的財産権制度入門(初心者向け)
知的財産権制度説明会(実務者向け)
INPIT 特許情報活用研修
特許調査研修
意匠調査研修
特許調査実践研修
発明推進協会 法律課程(全7科目)
実務課程(全5科目)
海外課程(全4科目)
調査課程(全2科目)
訴訟課程(全5科目)
経営課程(全4科目)

特許庁の研修の特徴は、制度の概要を学べることです。

特に初心者向けの知的財産制度入門では、産業財産権の各制度の概要についてカリキュラムが組まれています。

一方、INPITと発明推進協会の研修では、基礎を活かした実務に関して学ぶことができます。

すべての研修を受講するのではなく、各部員の実務内容にあわせて受ける研修が多いと言えるでしょう。

みなさまの状況に応じて、スキルアップのために受ける研修を検討してみてはいかがでしょうか。

受講期間は?

上記でご紹介しました、各機関の研修期間は、以下のとおりです。

機関名 研修期間
特許庁 なし(各自のペースで実施)
INPIT 1〜3日間
発明推進協会 1〜3ヶ月間(2〜7科目を期間内の指定された日時に受講)

特許庁の研修はご自身のスケジュールにあわせて受講することができます。

そのため、スキマ時間を活用して受講することもできますので、試しに興味のある講義を聴講してみるものよいかもしれません。

一方で、INPITと発明推進協会の研修は、指定された期間に受講することになります。

現在はコロナウイルスの影響を受け、受講方法はオンラインに変更されているものがほとんどです。

受講料は?

各研修の受講料は、以下のとおりです。

機関名 受講料
特許庁 無料
INPIT 30,000円〜40,000円
発明推進協会 50,000円〜250,000円

特許庁の研修については、無料で資料と動画が公開されています。

知財部員の研修と聞くと、専門性が高く受講料のかかるイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

ご自身のペースで、気軽に勉強を始めたい方には、特許庁での研修を受けてみるのがよいでしょう。

一方で、INPITと発明推進協会の研修は有料になります。

自費で受講するには安くない価格だと思います。

会社に相談し、スキルアップのために受講させてもらうのがよいでしょう。

さて、ここまでの各研修の内容をまとめると、以下のようになります。

機関 期間 内容 費用
特許庁 知的財産権制度入門(初心者向け) なし
(各自のペースで実施)
無料
知的財産権制度説明会(実務者向け)
INPIT 特許情報活用研修 1〜3日間 30,000円〜40,000円
特許調査研修
意匠調査研修
特許調査実践研修
発明推進協会 法律課程 1〜3ヶ月間
(選んだ課程を期間内の指定された日時に受講)
50,000円〜250,000円
実務課程
海外課程
調査課程
訴訟課程
経営課程

研修以外で知財関係の情報を収集する方法は?

日々の実務では、研修で学んだ知識のほかに、過去の事例や判例といった情報が心強い味方となります。

これらの情報は、

  • 特許事務所が主催しているセミナー
  • 全国で定期的に行われている展示会

などで収集することができます。

それぞれについて、ご紹介します。

特許事務所主催のセミナー

特許事務所が主催するセミナーは、知財に関わる最新の情報を入手する方法の一つです。

企業にお勤めの方であれば、お付き合いのある特許事務所からセミナー開催のご連絡を頻繁にいただいているのではないでしょうか。

セミナーでは、法改正や直近の判例など、最新の情報に触れることができます。

無料で受講できるセミナーも多く、各事務所のホームページにて日程が公開されていますので、興味のあるテーマがあれば受講してみるのもよいかもしれません。

なお、セミナーを受けるまとまった時間を確保できない方は、ソーシャルメディアを使用し最新情報を入手するのもおすすめです。

たとえば、ツイッターであれば、特許庁やパテントサロンが発信するニュースを見ておくだけでも、業界のトレンドに触れ続けることができます。

展示会

展示会も、最新の情報を入手する方法の一つです。

たとえば、法務・知財EXPOがあげられます。

詳細を以下の表にまとめます。

開催都市 東京、名古屋など
開催時期 年に数回(次回は、2022年5月11日〜13日の3日間、東京で開催予定)
対象企業 ・知的財産管理、特許管理システム
・出願代行
・翻訳サービスなどを扱う企業
対象士業 ・特許事務所
・弁護士事務所など
来場対象者 企業、官公庁、学校、病院などの
・知財部
・法務部
・経営幹部など
入場料 無料(事前申し込みあり)
5,000円(事前申し込みなし)
参考URL https://www.office-expo.jp/ja-jp/about/legal.html

一度に多くの企業や事務所の方とお話できるため、業界全体のトレンドを収集することもできるでしょう。

事前に申し込みをすれば、無料で入場できますので、機会があれば参加を検討されてみてもよいかもしれません。

研修をどのように活かす?

最後に、知財に関する基礎知識と最新情報を、日々のどんな場面で活用できるのか、具体的にお話しします。

座学と実務は、近そうで遠い存在であると思います。

研修後に知財に詳しい人材として活躍される姿をイメージいただき、学習に対するモチベーション向上の手助けとなればうれしいです。

研究成果の取り扱い・権利化

日々研究・開発部門と関わり、知財の視点から研究成果を見つめ、出願のタネを見つけることは、知財部門の重要な仕事の一つです。

特許や意匠などの出願を行う際に必須のステップとして、研究・開発部門からの技術情報の収集があります。

実は発明と呼べる研究結果が出ていたとしても、当事者からすれば当たり前の結果と考えてしまっていることも少なくありません。

知財部員は、研究戦略において知財が必須であることを研究員たちに常に意識してもらうようにすべきでしょう。

特許事務所・特許庁との折衝

出願のタネを見つけ、発明の内容を明確にした後に行うことが、外部機関との折衝になります。

代理人を介して出願を行う企業は、特許事務所に出願の手続きを依頼することが多いでしょう。

その際、発明の内容について、事務所の方に分かりやすく説明する必要があります。

研究の背景から知財の目線でみた発明の新規性、進歩性までを説明するには、知財の基礎知識が必須です。

出願を行った後には、特許庁との折衝を行うことになります。

特許庁から拒絶理由通知書を受領した際など、特許法などの知識を活かしながら、権利化を目指すことになります。

経営に対する貢献

出願を行った特許について、権利化で終わらせるのではなく、どのように経営に活かせるかを検討することも知財部員の仕事の一つと言えます。

近年、経営における知財の存在意義は高まってきています。

2021年に公表されたコーポレートガバナンス・コードの改訂版では、初めて知的財産に関する項目が記載されました。

知的財産への投資について、自社の経営戦略との関係を明確にし、具体的に開示すべき旨が盛り込まれています。

まとめ

ここまで読んでいただき、いかがでしたでしょうか。

知財部員の研修の内容とその活かし方について、すこしでも新しい情報がありましたらうれしいです。

技術進歩が加速する現代において、企業における知財の存在意義は高まるばかりです。

知財の基礎知識やトレンドを押さえ、社内の様々な組織に働きかけられることは、知財部員にとってなくてはならないスキルとなるでしょう。

知財部員として働かれている方も、これから転職を検討されている方も、無料の研修やセミナーの受講を検討されてみてはいかがでしょうか。

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