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新卒で特許事務所はどうなの?

特許事務所における新卒の割合は?

特許事務所に入所している方の多くは、企業や大学の研究職からの転職で、新卒は少ないです。特許事務所の人員構成は各事務所によって異なりますが、新卒が1割、中途が9割程度という特許事務所が多いです。

一般的に、特許事務所が大学や専門学校等に求人を出すことはほとんどなく、そのために、新卒の方が特許事務所の就職情報を得る機会がほとんどありません。少なくとも、私の知る限りでは、特許事務所が大学や専門学校等に求人を出しているという話は聞いたことがないです。

そのため、新卒が特許事務所に就職する機会は非常に少ないです。

とはいえ試験仲間や受験機関の先生などから、特許事務所の就職情報を得ることも可能です。そのため、このような方にとっては、新卒であっても、特許事務所に就職する機会があります。

新卒を採用する特許事務所

特許事務所の所員数は、多い所で700人程の事務所もありますが、大半の特許事務所は50人未満です。

新卒を採用する特許事務所の多くは、所員数50人以上の規模の大きい特許事務所です。

新卒を採用する特許事務所は、採用においてポテンシャルの高さを重要視する傾向があります。

一方で、所員数の少ない特許事務所では新卒を教育する余裕がないため、特許事務所の経験者や研究職からの転職者を採用する傾向があります。

新卒が行う主な業務

弁理士・技術者の場合

新卒の方が特許事務所に入所する場合、多くの弁理士・技術者は、

  • 理系の方は特許・実用新案を担当する
  • 文系の方は意匠・商標を担当する

に分かれます。

業務内容としては、

  • 明細書等の出願書類の作成
  • 補正書・意見書の作成(中間処理)

を担当することが多いです。その他、翻訳(外内、内外)や調査を担当することもあります。

また、大半の事務所では、最初の2、3年は、OJTによるトレーニングを積みながら、業務をする形をとっています。

事務の場合

文系の方が事務系として特許事務所に入所する場合、事務(国内又は外国)を担当することが多いです。

業務内容としては、

  • 期限管理
  • 委任状や譲渡証等の各書類の作成及び提出

を担当することが多いです。

新卒が特許事務所に入所するメリット

新卒が特許事務所に入所するメリットは、若い年代で業務を覚えられることです。

特に、弁理士・技術者の場合には、担当する業務のスキルを身につけるのに3~5年程度かかります。

なので若い内に仕事を覚えれば、その後は語学の勉強や、弁護士等の資格取得を目指すなどのスキルアップを行い、得たスキルを得てさらに新しい業務に挑戦することも可能です。

また、弁理士や技術者の場合、売り上げによって給与が変わるため、スキルを伸ばすことで、若くして多くの給与を得ることも可能です。

さらに、将来、個人事業主として働きたいと考えている場合には、将来の独立を考えて新卒で特許事務所に就職する、という考え方もあります。

新卒が特許事務所に入所するデメリット

特許事務所の就職活動をしていると、新卒での特許事務所の入所は推奨しない、という意見を聞くこともあるかと思います。

  • 企業の開発の経験がないと、特許事務所で働くときに発明者とのコミュニケーションに時間がかかる
  • 特許事務所は教育制度が企業ほど充実していない
  • 上司や経営者によって仕事の環境が一変する

特に自分に合わない上司や経営者であった場合はかなり苦労するという点もあります。

 特許事務所と企業、新卒はどっちに就職するのがおすすめ?

知的財産の分野で働いている先輩方の多くは、「新卒の場合、特許事務所よりも企業に就職するのがおすすめだ」と言うはずです。

その主な理由としては、

  • 企業から特許事務所への転職は比較的容易であるが、特許事務所から企業への転職は難しい
  • 成果が出ないとき、減給や解雇となる可能性が企業よりも高い

という点があります。

このなかで、成果が出ないときの減給や解雇というのは、私の知っている範囲では、3割から4割程度の特許事務所で行われています。したがって、安定性を重視するのであれば、企業に就職することをおすすめします。

一方で、特許事務所の業務は、個のスキルに依存する業務が多いです。

そのため、

  • 将来の独立を視野に入れている
  • 自分のスキルで仕事を切り開きたい、成果を上げて給与を上げたい

という方は、新卒で特許事務所に就職することをおすすめします。

新卒が特許事務所を選ぶ時のポイント!

これまで説明したように、特許事務所の場合、上司や経営者によって仕事の環境が大きく変わるため、実際に面接をしたときに感じた雰囲気の良し悪しが、特許事務所を選ぶ時のポイントの一つになります。

また、弁理士・技術者の場合には、自分の専門分野と特許事務所で扱っている技術分野とがどの程度共通しているかが重要なポイントとなります。

特許事務所で扱っている技術分野については、特許情報プラットフォームの公開特許公報で確認できます。

特許事務所の求人に応募する際には、事前にこの公開特許公報を確認してその内容を把握しておくことが重要になります。

正直気になる、新卒のお給料事情

新卒時の給料ですが、日本経済団体連合会の発表した2021 年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要によると大学卒・技術系(全産業)の初任給は平均220,438円です。

求人ボックスの統計データ(2022年1月24日現在)でも、特許事務の初任給は22万円程度が相場だとされています。

したがって、新卒時の給料は、企業と特許事務所とでほぼ同じです。

もしも特許事務所で働く場合、「弁理士→技術者→事務職」の順に高い給料が設定されています。弁理士の場合、資格手当も付くことが多いです。

一方の企業では、住宅手当や家族手当といった福利厚生が特許事務所よりも充実しています。

福利厚生を考慮すると、新卒の給料は

  • 弁理士→特許事務所のほうが高め
  • 技術者・事務職→企業のほうが高め

と言えるでしょう。

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