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知財部員の転職は難しい?知財業界で働き続けるためのポイントとは

企業の知財部に勤めており転職を検討されている人は少なくないでしょう。

転職はキャリアアップをするための代表的な手段です。

知財業界の転職市場は活発ですが、その難易度は決して低くありません。

本記事では、知財業界の転職市場の動向・転職時に求められる要素などをまとめました。

知財業界の転職市場は?

転職市場は拡大傾向

知財業界の転職市場は拡大傾向にあり、特に弁理士の転職が盛んです。

コロナウイルス感染拡大前の2018年まではおよそ4年間で約3倍ほど市場が拡大しました。

感染拡大後、一度転職市場は縮小しますが、現在は感染拡大前に戻りつつあります。

2022年4月時点で、約400件の知財部・弁理士に関する求人を掲載している転職エージェントもあります。

事業の分野に関わらず、様々な企業・特許事務所が新たな人材を求めているのです。

専門性の高さと事業戦略への貢献が求められる

知財業界の転職市場は拡大傾向にありますが、だからと言って転職の難易度が低下しているわけではありません。

今後は勤め先に関わらず、一つの分野における知財権出願の実績が多い人よりも、知財に関わる幅広い業務に対応できる人が転職しやすくなることを覚えておきましょう。

この背景には、経営と知財が密接になっていることがあります。

事業戦略と知財戦略の関係性が深くなったことで、弁理士の仕事内容は以前に比べ多岐に渡るようになりました。

現に特許事務所も、出願・管理業務の占める割合が企業より大きいとは言え、事業戦略に関わる機会が増えています。知財経営コンサルタントの立場として、企業をサポートする特許事務所も少なくありません。

また当然ながら、知財戦略を立てたり、出願・管理業務を適切にこなすためには高い専門性も欠かせません

転職のタイミングは若いほうがよい

知財の仕事は専門職であるため、経験・実績を増やすにはある程度年数が必要です。

一方で、勤続年数が多い人ほど求められているかと言えば、そうでもありません。

実際、年齢が若いほど求人の数は多い傾向があります。

企業・事務所の人材不足は解消されつつありますが、組織の若返り化という課題は解決されていません。

20〜30代のうちに転職を検討された方が、希望通りの転職ができる可能性が高くなります。

とはいえ経験年数が少ないと、十分な実績・経験がないため転職は難しいのでは、と考えられる人も少なくないでしょう。

目指すキャリアがある程度明確になった時点で、転職エージェントといった第三者の評価を確認してみてもよいかもしれません。

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転職後に辞めたいと後悔しないように確認すべきポイントは?

自身の配属先の業務量や企業・事務所内での立ち位置などは、就職先によって変わります。

  • 求人に掲載された理由
  • 事業分野・企業の将来性
  • 知財部員の昇進・リストラ・左遷の有無

などを確認することで、転職後に後悔するリスクを抑えられるでしょう。

転職後に、職場になじめず辞めたいと後悔する人も少なくありません。

失敗したと思わないためにも、転職前後の就職先に関するイメージのギャップを小さくすることが重要です。

求人が掲載された理由

求人が出された理由からは、職場環境が良く読み取れます。面接や転職エージェントとのやり取りの過程で、掲載理由の詳細を確認しておきましょう。

求人の掲載理由として、よく見られるのが

  • 人員不足
  • 事業拡大

などです。

人員不足といっても知財権の出願件数が増えているためか、離職者が多いためかでは、大きく職場環境が異なります。

理由によっては残業が多くなったり、十分な教育が受けられなかったりする可能性があります。

事業分野・企業の将来性

転職先に将来性のある事業分野・企業を選択するのが望ましいのは言うまでもないでしょう。

企業の規模・売上だけでなく、出願・権利化をしている知財権の件数も将来性の指標となります。

権利化をしている知財権の有無により、現時点でどれだけその企業が利益を出せる分野・領域があるかを判断できます。

しかし、それだけでは企業の経営がこの先も安定しているとは言えません。

特許・意匠をはじめとした知財権には存続期間があり、満了後には第三者が模倣できるようになります。

1つの知財権に頼ってしまうと、存続期間満了後に経営が大きく傾くリスクがあるのです。

例えば医薬品業界では、自社製品の特許権満了後に第三者が同じ成分の含まれる製品を販売することで、自社製品の売上が特許権満了前から2桁%低下することがあります。

企業の将来性を判断する上では、直近に出願がされており、まだ権利化がされていない知財権の有無も確認する必要があるでしょう。

連続的に出願・権利化を繰り返し、常に何かしらの知財権で企業の売上を確保することが重要です。

各企業の出願・権利化をされている知財権はJ-Plat-Patで企業名を入力するだけで検索できますので、転職先を検討される際にはぜひとも調べておきましょう。

知財部員の昇進・リストラ・左遷の有無

転職活動時に、転職先でのさらなるキャリアアップのイメージを明確にしておくと、再度転職を検討する可能性が小さくなるでしょう。

特に企業の知財部に転職する場合は、転職先における知財部員の

  • 昇進
  • リストラ
  • 左遷

の有無を確認しておくのがおすすめです。

企業によって、知財部員が昇進できる最も高い役職が異なります。

昇進可能な役職が何であるかは、転職先でのキャリアをイメージする際の指標の一つになります。

部長・課長が最終キャリアとなることが多いのか、役員まで昇進できる可能性があるのかを確認しておくとよいでしょう。

またリストラ・左遷がある企業では、知財部の価値が低く見積もられている可能性があります。

この場合、転職先での自身のキャリアアップを期待するのは難しいでしょう。

知財部は営業利益を直接生み出さない管理部門であるため、目先の経費削減・利益確保だけを考えればリストラされてもおかしくありません。

しかし長い目で見ると、事業戦略と知財戦略の関係が深まりつつある現在、知財部員を削減している企業の成長は期待できないと言えるでしょう。

知財部員の転職成功のために必要な要素は?

専門性の高さと事業戦略への貢献が求められる今後の知財業界において、具体的にどのような要素が必要なのでしょうか。

例えば

  • 英語力
  • 弁理士資格
  • マネジメントスキル

が上げられます。

これらを身につけることで、転職の成功率を上げることができるでしょう。

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英語力

アメリカや中国をはじめとした外国出願の件数が増加し続けているため、語学力は転職時のアピールポイントの一つとなります。

なかでも英語力は必須であり、それを測る指標がTOEICです。

転職時に内資系企業であれば730点以上、グローバル企業であれば800点以上を求められる傾向があります。

英語以外に習得しておきたい外国語として、中国語があげられます。

募集要項において、英語ほどではありませんが中国語に関する記載がよく見られます。

弁理士資格

弁理士資格は、知財に関する知識の高さの指標となります。

知財権の出願業務を主に行う特許事務所だけでなく、企業の求人においても弁理士資格が求められています

弁理士試験は、国家資格の中でも難易度が高く、その合格率は10%以下です。

資格取得までに短くても1年の期間、スクールに通う場合50万円ほどの費用がかかりますが、転職によるキャリアアップ&給料アップを目指す場合、取得する価値が十分にあるでしょう。

マネジメントスキル

上述したとおり、転職市場では企業の管理職の求人が増えています

管理職になると一件ごとの出願業務だけでなく、事業全体に携わります。

その際に必要になるのがマネジメント力です。

事業戦略に関わるようになると、特許事務所だけでなく社内の多くの部署と一緒に仕事を進めるため、幅広い業務を管理できる力のある人は重宝されるでしょう。

まとめ

今後、知財の仕事ではますます専門性が追求され、また経営においても不可欠な存在になります。

知財の仕事における転職は簡単ではありません。

しかし、転職市場にて求められるポイント・転職後のリスクを把握することで、転職の成功率は上がります。

転職によりキャリアアップをできれば、多くのやりがいのある仕事に携わることができるでしょう。

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