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【ちざいネタ帖vol.10】平成・令和とブランド高級魚

平成という時代を振り返るとき、マーケットの変化とともに商標の制度自体が大きくさま変わりする道程であることに気づく。

平成4(1992)年のサービスマーク(役務の商標)をはじめ、立体商標、小売商標、音商標、色商標等、新しい商標制度が続々と登場。なかでも注目したいのが、地域団体商標(2006年施行)などの地域ブランドに関する商標。地域おこしや訪日観光、農林水産物輸出などの風を受け、令和の御世もいっそう活況を呈しそうな勢いだ。

例えば、魚の地域団体商標の代表格の「関あじ」「関さば」(大分県漁業協同組合)。かねてから味のよさで知られていた豊予海峡でとれる高級ブランド魚だが、認知が高まるにつれて偽物が出回るようになり、1996年にタグシールに用いるロゴマーク等を組合で出願・登録。地域団体商標が発足した2006年の春にはいち早く出願し、希少な高級魚として、全国区の知名度を得た。

地域団体商標とは、地域の名称と商品(または役務)の名称の組み合わせからなる商標で、出願人は、事業組合等に限定されている。
水産品では「越前がに」、「大間まぐろ」、「豊橋うなぎ」、「鵡川ししゃも」など、およそ50品目が登録になっている(特許庁)。

そもそも商標には「信用の蓄積」という役割があり、とくに地域団体商標については地域の旗印となるブランド保護という使命がある。そのため、各漁協(商標権者)は、商標取得と同時に厳格な品質管理が必要になってくる。

徹底した品質管理がカナメ

例えば「関さば」「関あじ」は、大分県の別府湾にのぞむ佐賀関沖で獲れるサバ・アジのことで、一般的なサバ・アジは広い海を群れになって回遊するのに対し、他の海域の群れと交わることなく生育される“系群”と呼ばれる魚群だ。餌が豊富なこの海域だけで成長するため、脂がのっていながら身の引き締まった絶品の味わいになり、さらに安定した品質を担保できるのだという。一本釣りのみで、魚体がぶつかり傷ついてしまう曳網はしない。さらに釣りたての魚は異常な興奮状態にあるため、水揚げした魚は1日いけすで泳がせてから出荷する。またいけすのまま目測によって重量を特定する「面買い」という方法がとられている。

これらブランド化の成功は漁協が魚を買って売るという画期的な仕組の採用があればこそでもある。徹底したブランディングは、海外からも注目を集め、体験学習などの研修を受け入れているそうだ。

豊洲市場がそうであるように、水産物の地域ブランドは今後は海外展開を視野にいれていくことは必至。JETRO(日本貿易振興機構)に外国出願等、海外展開を支援する助成事業があるほか、特許庁においてもさまざまな支援策を講じている。
要件も逐次変更があるので詳しくは、お問い合わせを。

出典:2019/4/15刊行 特許業務法人プロテック「ちざいネタ帖」

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https://protec-inc.jp/

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