30代~40代の弁理士は転職しやすい?未経験は?

30代~40代の求人は多い

特許事務所や企業の知財部の求人ですが、30代~40代の求人は他の年代の求人よりも多いです。

特許事務所の場合、30代の求人なら実務未経験でも採用されることもありますが、40代の求人になると、実務経験が重視される傾向があります。

また企業知財部の場合、特許事務所ほど中途採用を積極的に行うことは少ないため、求人の数は0ではないですが特許事務所ほど多くはありません。

実務未経験でも転職して大丈夫?

特許事務所なら、30代前半で実務未経験という方はそれほど珍しくはありません

特許事務所の場合、他の業種から転職してくる方が多く、新卒で特許事務所に勤務している方は少ないです。私の経験では、特許事務所に勤務している方の約8割が、他の業種から転職しています。

一方で企業知財部となると、社内の他の部署からの異動で人員を補充することができるため、中途採用については、ほぼ実務経験者のみに限定されます。

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実務未経験の転職は、35歳までが有利

実務未経験の若手を積極的に採用する特許事務所は、かなり多いです。

その理由として、出願書類(明細書)の書き方を一から教えれば、事務所内の別々の所員が作成する明細書の書き方を、なるべく統一させることができるから、という事情があります。

そして実務未経験の若手を採用する場合には、年齢制限を設けるのが一般的です。

特許事務所の場合、他の業種から転職してくる方が多く、20代のメンバーはほとんどいません。そのため多くの特許事務所では、35歳くらいまでの未経験者を、事実上の新入所員として採用します。

また人数の少ない(所員10~20名程度)特許事務所では、40歳くらいまでの未経験者を採用することも珍しくありません。

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企業の開発から特許事務所への転職は比較的かんたん

特許事務所の場合、特に出願書類(明細書)の作成業務において、企業の開発を経験している方は重宝されます

明細書作成には特許を取得する技術の理解が必要不可欠になりますが、企業の開発を経験している方は、

  • 発明者である企業の開発者との意思疎通がしやすい
  • 技術の理解が早い

の2点で、企業の開発を経験していない方よりも有利となることが多いです。

また特許事務所なら30代前半で実務未経験、という方はそれほど珍しくないため、仮に特許実務が未経験であっても、企業の開発から転職される方を歓迎する特許事務所は少なくありません。

なお企業の開発からの特許事務所への転職の場合、弁理士資格を有していないのが一般的なので、弁理士でないから転職が不利になる、ということは少ないです。

ただし弁理士試験を受けて弁理士になるという意思の有無は重視されがちです。

弁理士試験に専念していたことは、転職時、不利にはならない

特許事務所への転職を考えている方の中には、仕事との両立が困難である等の理由から、弁理士試験に専念している方もいます。

弁理士試験に専念していると、仕事の空白期間があることで特許事務所への転職が難しくなるのではないか、という不安を抱えることがあるかと思われます。

私の経験では、30代~40代かつ前職で特許事務所や企業の知財部、開発をしていた場合、1年程度の空白期間であれば、そこまでマイナスの要因にはならないのではと感じています。

なかには司法試験やロースクールで結果が出なかったため、弁理士試験に転向した方もいることでしょう。この場合、学生時代から受験勉強に専念していたため「就職経験がない…」という方もいるはずです。

しかし私の周囲でも、上記のような経緯を経て30代前半で弁理士となり、特許事務所に就職した方がいます。そのため、このような事情のある方でも、特許事務所への転職は可能であると感じています。

年収は?

特許事務所に勤務する場合、年収は実務経験の有無で変わります。

特許事務所において実務未経験の30代~40代の弁理士の年収は、おおむね400万円~500万円前後になることが多いです。

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特許事務所と企業知財部のどちらに転職するべき?

30代~40代の弁理士で実務経験のある場合、転職先としては、特許事務所と企業知財部の両方があります。

特許事務所と企業知財部とでは、業務内容や給与面で違いがあるため、この点を把握した上で転職をすることが重要になります。

特許事務所と企業知財部の業務の違い

特許事務所と企業知財部とを簡単に比較しました。

特許事務所企業知財部
メイン業務出願書類の作成と中間処理発掘業務や、特許事務所の作成した出願書類のチェック
サブ業務鑑定、調査、訴訟など契約や調査、他の部署との折衝など
転職の難易度低め高め
離職率高い低い
給料アップダウンが比較的大きい安定している

企業知財部から特許事務所への転職は比較的容易

企業知財部では特許事務所の業務とごく近い業務も行っているため、企業知財部から特許事務所への転職は比較的容易です。

たとえば出願書類のチェックですね、会社によっては出願書類を自ら作成している所もあります。

ちなみに企業知財部から特許事務所へ転職する理由としては、専門性のスキルを身に着けたい、あるいは実績を出して給与を上げたい、といったものが多いです。

特許事務所から企業知財部への転職も可能

企業知財部は、社内の他の部署から人員を配置することが多いです。しかし特許権や意匠権などの権利取得は、法律面・手続面が難しい業務であるため、即戦力として専門的な知識を有する方を中途採用することがあります。

この中途採用では、他社の知財部や特許事務所に勤務している方が対象者になります。

特許事務所から企業知財部へ転職を希望する方は、発掘や出願書類のチェック、ライセンスなど、様々な業務をしてみたいという理由で転職されるようです。

特許事務所と企業知財部の年収は?

特許事務所では、特許や意匠等の出願業務を行う方の年収は実績に左右されます。私の体感では、実務経験のある30代~40代の弁理士の年収は、500万~1000万円になることが多いです。

一方で企業知財部の場合、年収は社内規定で決まります。とはいえ前職の実務経験が、年収に多少反映されることもあります。

経験上、30代~40代の知財部勤務の弁理士の場合、年収は500万~800万円となることが多いと言えます。管理職の場合には、1000万円前後になることもあります。

なお弁理士資格の有無で年収は変わらないのが一般的ですが、なかには資格手当がつく会社もあります。

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