日商とINPIT、中小企業の知財活用で連携 -iP Times-
本記事の概要
2月14日、独立行政法人工業所有権情報・研修館(以下、INPITという。)と日本商工会議所(以下、日商という。)は、中小企業等の成長力強化のため連携協定を締結した。今後は全国にある両社の窓口が起点となって中小企業に対する知的財産活動の支援が強化される。
経営環境の変化に対応して収益力を向上するためには、技術やデザイン、ブランドを迅速に権利化して事業に結び付ける必要がある。
しかし、中小企業・スタートアップは、大企業と比べて知的財産面における経営資源が少ないため、知的財産戦略の立案や知財専門要員の人材育成など多面的な支援が必要になっている。
このような背景のもと、INPITと日商が連携して、以下の支援策が実施される見込みだ。
- 知財総合支援窓口と商工会議所との連携の一層の拡大・活発化を図るため、双方が連携し、一体となった中小企業等への支援を実施
- 商工会議所のプロジェクトに対する知財総合支援窓口による支援
- 中小企業等への知財経営の活用策、人材育成策、優良支援事例等についての情報交換・提供
- 経営課題に内在する知財の課題への感度(気づき力)の向上のため、支援人材向けの教材(動画コンテンツ)の開発・提供や、研修機会の提供
- 商工会議所における中小企業等向け知財関連セミナー等の開催支援
弁理士による解説
3月1日、日商は中小企業の知的財産支援施策を集約した「知財支援プラットフォーム」を公開した。本プラットフォームでは、知的財産支援施策を「創造(生む)」、「活用(育てる)」、「保護(守る)」の3つのカテゴリに分類している。
「創造(生む)」では、知的財産の概要、取得手続きと経営者向けのコラム等、「活用(育てる)」では、成功事例・気を付けるべき事例や専門家検索サービス、「保護(守る)」では、補助金制度や契約・トラブル相談窓口が実装されている。
特許庁、INPIT、中小企業庁、弁理士会などから提供される知財支援サービスが、この「知財支援プラットフォーム」に一元化されているため、知財経営を考えるファーストステップとして使い勝手のよいサイトになっている。
中小企業には知的財産に関する知識や人材、資金の不足や、知財マインドが低いといった経営課題を抱えている場合が多い。本支援策を有効活用し知財を戦略的に事業に組み込むことで企業競争力を強化できると考える。
●参考URL
- 日本商工会議所と連携協定を締結し、中小企業等の経営・知的財産支援を強化します -INPIT-
- 中小企業の知的財産支援施策を集約した「知財支援プラットフォーム」を新設しました -日本商工会議所-
- 知財支援プラットフォーム -日本商工会議所-
- 知財活用アクションプラン (中小企業・スタートアップ版、大学版)の紹介 -特許庁-
企業勤務弁理士。知財キャリア約20年。研究所勤務経験と発明者として特許出願・権利化の実績あり。
発明発掘から国内外権利化手続き、知財戦略立案など知財に関して幅広く活動してきました。
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