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エレベーションスペース社等の動向から見る、宇宙ビジネスに必要な商標登録とは?

2023年4月28日、国際宇宙ステーション(ISS)に代わる世界初の宇宙環境利用プラットフォームを目指して開発を進めている株式会社ElevationSpace(代表取締役CEO:小林稜平 以下、エレベーションスペース社)は、南相馬市と連携協定を締結したと報じました。内容としては、人工衛星開発の促進に向けた南相馬市内(以下、市内)での実証場所の確保、市内の事業者との連携による研究開発の推進になります。

これまで宇宙実験の場として国際宇宙ステーション(ISS)が存在していたのは広く知られているところです。しかし、このISSも構造寿命などの関係から2030年末に運用を終了することが決定されているため、その後宇宙利用を行う場所の代替案が求められています。

エレベーションスペース社は、この「ポストISS」とも呼ばれる代替案として、宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R(読み:イーエルエスアール)」の提供を目指しています。

「ELS-R」とは?

これまでは、実験のために人が宇宙まで上がり、ISS内の施設を利用して様々な実験に従事していました。しかしエレベーションスペース社が提案するELS-Rとは、無重力環境を活かした実験や実証を無人の小型衛星で行い、それを地球に帰還させてお客様のもとに返す世界初のサービスです。

出典:PR TIMES

このサービスのための人工衛星の開発にあたっては、部品・システム設計・製造・調達、さらには各種試験の実施やその検証など多くの工程が必要となります。そのため一社で実現するには難しく、多くの協力企業が必要になります。その点、今回の南相馬市との連携協定は同社にとって、大きな追い風になります。

南相馬市は東日本大震災後、国家プロジェクトである福島イノベーション・コースト構想に基づき「福島ロボットテストフィールド」が整備されています。このフィールド内では性能評価のための振動試験などの人工衛星開発に欠かすことのできない様々な試験を行うことができるうえ、市内にはロケット開発に関係するベンチャーが市内に増えており、宇宙産業の一大拠点になりつつあります。

新しいビジネスモデルに対して、商標の手当ての状況は?

同社の商標出願を確認すると、小林代表の名前でのみ登録されていました。区分としては、9類のみ。(指定商品は以下の通り)

人工衛星自体に対して、同社の社名ならびにロゴでの商標登録がされていることがわかりました。

しかしながら、ELS-Rや関連するサービス部分については、まだ出願がされていないようです。(今後出されることが予想されます。)

参考までに、最近話題のispace社の商標も見てみたいと思います。

こちらは同社の商標の一つになりますが、宇宙サービスにかかわる様々な役務についても登録していることがよくわかります。特に、”宇宙船による輸送”や”月面における地質の調査”などの記載が宇宙ビジネスらしいですね。

新しい分野のビジネスでは、既存の区分に分けるのが難しいことが多くあります。しかしながら、何もせずにいると他社に先を越されて出願されることになりかねません。せっかくの新規ビジネスですから、知財の面でも抜かりないように、検討・対応するのが良いでしょう。

参考

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000074085.html

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