繊維からウェアラブルデバイスまで活躍。ミツフジに見る特許調査の名寄せの必要性
2023年6月8日、ミツフジ株式会社は、東京海上日動火災保険株式会社と連携し、暑熱リスク検知に特化したリストバンド型ウェアラブルデバイス“hamon band”(ハモンバンド)に、熱中症による入院を補償する保険を付帯した、日本初の“熱中症補償つきhamon band”のサービスを本格開始したと報じました。
ミツフジ株式会社はもともと西陣帯の工場として1956年に創業された繊維系分野の企業になります。
昨今では、バイタルセンシング用の技術を開発しており、このようなウェアラブルデバイスまで事業を展開しております。
創業分野から変化の激しい同社について、企業分析のために特許観点で調査をしてみます。
特許調査による企業分析
<検索式>出願人:ミツフジ株式会社
<データベース>J-PlatPat
特許での検索結果を見ると、14件がヒット。しかし、最古の出願日が2014年となっています。出願人も”三ツ富士繊維工業株式会社”となっています。
同社は、2015年に社名変更がされています。創業も古いため、過去の出願については、ミツフジ株式会社の名義に変更されていないことによる漏れが生じている可能性があります。
社名を追加して再調査します。
調査結果として、7件の出願がさらに追加されました。
企業分析をするにあたっては、このように名寄せをしっかりと行って情報を正確にそろえる必要があります。
この他にも子会社や創業者の名前で検索して点検することをおすすめします。なお今回は子会社情報を同社HPから見受けられないため、検討の結果上記の調査結果で十分と判断します。
簡易分析
①同社の特許活動は、直近10年くらいから活発化していることが見受けられます。
②単純な繊維業ではなく、導電性繊維を活用したセンシング技術にシフトしていることがわかります。
まとめ
・特定の企業を基に特許調査をするにあたっては、”名寄せ”を行わなければ、調査漏れする可能性がある。
・直近10年くらいで、知財に対する注力度が増している。
・同社の技術は、繊維業から導電性繊維、センシングへシフトしていることがわかる。
今後、企業に対する調査をする際にはぜひ参考にしてみてください。
参考
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000020122.html
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健康関連商品の知財、企画開発や生産立ち上げを経験してきた元エンジニア。皆さまに役立つ情報を発信したいと思いWEBライター活動中。趣味はスポーツ全般、カメラ、映画鑑賞
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