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東レの膵がんの診断を補助する体外診断用医薬品、国内製造販売承認される

東レ株式会社(東京)は、膵がんの診断補助を使用目的とした体外診断用医薬品について、厚生労働省から製造販売承認を取得したと2023年6月12日に発表しました。

日本における膵がんの罹患者数は約44,000人(2019年)、死亡者数は年間約38,000人(2020年)に上ります。また膵がんは早期に発見できれば生存率の向上が期待されますが、自覚症状が現れにくく進行が早いため、早期に発見することが難しいがんの一つです。

本品による検査方法は血液を用いるため、より多くの人が受診しやすい検査です。これまでの腫瘍マーカーとは異なる物質を測定することから、既存の腫瘍マーカーでは検出できなかった膵がん患者を検出できることが期待されます。

医薬品の場合、製品を市場に投入するには二つの許認可が必要になります。一つは「薬事申請」、もう一つは「特許出願」です。

薬事申請は、医薬品の安全性や効果を確認し、薬害を引き起こさないために行われます。大変厳格で複雑な審査です。おそらく数ある許認可でも一位二位を争う難しい許認可となります。

一方、特許出願は有用性のある化学物質を見つけた時に行われる申請で、有用性が確認された段階で随時行われます。そして医薬品の特許には、権利期間が通常より長い最長25年にという特徴があります。

薬事申請は有用性のある化学物質を薬として使用するために行われますが、年単位の審査となります。そのため特許出願を行っても、薬事申請の審査中は販売することがでません。

いくら開発の早い段階で特許出願をおこなっても、実際の販売開始は薬事審査が終わってからとなります。ですから実質的に特許権の有効期間は「特許権の存続期間から薬事申請の開始から承認までの期間を引いた期間」です。

しかし医薬品の開発には非常にコストがかかります。特許権で開発者の利益を確保しつつ、安全性を確認しながら、新薬の恩恵をみんなで共有することが必要です。

このため、特許権存続期間の例外として、医薬品は出願日から最長で25年間となります。通常は20年ですから、5年間の延長がされています。5年の間に薬事申請を終了させ、新薬を市場に投入するということです。

このように、メーカの利益、安全性、患者への恩恵、開発サイクルの促進・確保がバランスよく図られているのです。

参考

膵がんの診断を補助する体外診断用医薬品 「東レAPOA2-iTQ」の国内製造販売承認について | ニュース一覧 | TORAY

国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)

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