ドクターエアの関連意匠を活用した意匠ポートフォリオの構築
2023年6月21日、株式会社ドリームファクトリーが展開するトータルボディケアブランド『ドクターエア』より、“振動”と“ヒーター“で身体をケアできる<3Dコンディショニングボールシリーズ>の最新モデル【3Dコンディショニングボールスマート2】の発売が発表されました。
本シリーズは、過去に複数商品が出ております。
シリーズ展開をすると、上記の商品画像のように似通ったデザインになってしまい、後から出る商品の意匠出願も難しくなり、実施品をどのように保護していくか戦略が求められます。
同社の場合は、先日の意匠法改正によって可能になった、過去の出願を基礎出願とする”関連意匠”を活用するという方法をとっていましたので、ご紹介します。
意匠出願動向からみるブランディング手法
意匠調査
出願人:株式会社ドリームファクトリー
データベース:J-PlatPat
ヒット数:86件
旧商品の意匠
旧商品については、関連する意匠が2件確認できました。部分意匠と全体意匠が一件ずつあります。
実際の商品を鑑みて考察すると、3Dコンディショニングボールと同スマートタイプについては、操作面以外は共通化されているため、部分意匠での権利化で両アイテムともに権利範囲内に収めるという工夫がうかがえます。
全体意匠については、基礎意匠となっており、関連意匠があることがわかります。この点については、新商品の意匠でご紹介します。
新商品の意匠
今回の新商品に関係すると思われる意匠は、以下の2件が確認されました。本体及び置台についてそれぞれ意匠権の取得を図っているようです。付属品についても権利化をされているところから、デザインに対する注力度がうかがえます。
そして本体については、過去商品の関連意匠として登録されています。特徴的な表面のカットについて関連意匠にすることで、より広い意匠権利網を構築していることがうかがえます。
スマート2があるので、3Dコンディショニングボール2のタイプも商品および意匠が出てくることも期待したいところ。
しかし意匠権ではスマートタイプの登録のみが行われています。同社の出願には秘密意匠が多くあるという状況もあり、未公開の状況にあると想定がされます。
この場合、中国での意匠権出願による公開がされていることが予想されますので、調べてみました。
結果、中国で日本では未公開の出願も確認できました。(秘密意匠に該当の出願番号あり)
おそらく、こちらについても関連意匠での登録を行っているものと思われます。
関連意匠をうまく活用すれば、自社の製品のシリーズ展開時に強い意匠権による権利網の構築という手段も考えられるようになりました。
参考
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000511.000013584.html
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