FOOTMARKの特許から見る、衣類開発に必要な観点
2023年7月7日、フットマーク株式会社は、美しく上手な身体の動かし方を意識できるインナー「FOOTMARK BASEWEAR」初のメンズシリーズを応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」にて先行予約販売を開始すると報じました。
ロングスリーブ(Uネック・Vネック)、ロングレギンスの3つのラインナップを展開する予定の同商品は、特許を取得したリーディングライン構造を採用しているとのこと。
特殊樹脂プリントのリーディングライン 特許第7117788号
・伸縮性のある特殊樹脂プリントによって設けられたリーディングラインが筋肉や関節の動きに沿い、適度な着圧で身体の動きを適切な範囲に保つ。
・肌側にプリントされたリーディングラインが直接肌にふれ、筋肉や関節が刺激されることで、その部分を意識することができる。
特許の内容は?
特許第7117788号
【登録日】令和4年8月4日(2022.8.4)
【発明の名称】機能性インナーシャツ
【請求項1】
伸縮性を有する生地によって成形され、着用者の動作サポートする機能性インナーシャツであって、
第1の伸長率を有する第1の領域と;
前記第1の伸長率よりも大きな伸長率を有する第2の領域とを備え、
前記第1の領域は、後身頃の両肩から肩甲骨の内側を通って、腸骨の上部に向かって延び、そこから前身頃の大腰筋に沿って股関節付近まで達する帯状の第1のサポートラインと;左右の肩及び脇の下を通り、後身頃で左右の肩甲骨の中程で交差する、所謂「たすき掛け」状に延びる帯状の第2のサポートラインと;を含むことを特徴とする機能性インナーシャツ。
ポイント
本件も含めて、スポーツ衣類関連の特許は、【肩甲骨】などの解剖学的な内容と、衣類の構造である【身頃】といった内容の組み合わせで表現されていることが多くあります。
身体動作をサポートするには、骨格がどのように動くかという点と、その動作をサポートしたり位置を制御したりするような構造や材料(例:伸縮性の方向性、張力)を明示するという二点の組み合わせが重要です。そして、これは運動だけでなく、より広義の意味で動きやすさを考える意味でも必要な考え方です。
衣類という分野の観点だけでなく、関わる人体の構造についても知識を増やすだけで、発明の観点が増えます。他社特許のクリアランスや自社の発明発掘の際には、こういった点についても意識して内容を確認したいところです。
参考
PRTIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000012937.html
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