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ジェリクルが世界初のゲルを用いた人工腱・人工靭帯となり得る素材の開発に成功

2023年7月19日、テトラゲルを用いて医療に革新を起こす東京大学発のバイオベンチャー企業のジェリクル(東京)は、世界初のゲルを用いた人工腱・人工靭帯となり得る素材を開発したことを発表しました。

現在腱断裂や靭帯断裂はスポーツ時の受傷が原因で起こることが多く、その治療は外科手術による移植再建術が主流となっています。このうち、自家腱移植は患者自身の正常な腱を採取し、靭帯の代わりとして使うものです。正常な腱を犠牲にするという都合上、患者の負担が多く、また人工靭帯移植は合成高分子で作られた人工靭帯で断裂した腱を置換するもので、経年劣化や摩耗粉による炎症反応などの問題があります。

この度、ジェリクルは東京大学で開発されたテトラゲルと呼ばれる素材をもとに、世界最高峰の強度をもつ人工靱帯となり得る素材を開発しました。このゲル人工靱帯は生体靭帯の3倍ほどの強度を持ち、歩行を模した100万回にも及ぶ繰り返し引張試験に対しても、生体靱帯と同様の力学特性を示しました。

そこで、ジェリクルの特許調査を行ったところ、累計で3件の特許が出願されています。医療機器や医薬品、医療材料の特許は一社当たりの出願件数が少なく、それぞれの特許の「重み」が他の分野に比べて重いという特徴があります。

特に、医療機器や医療材料のメーカーは比較的規模の小さなところやベンチャー企業が多く、特許の出願や維持のコスト負担が重いということもあります。また技術分野や用途分野の住み分けがなされており、「一つの会社で一つの用途」ということも多々あります。

そのため、同じ用途での競争は「ジェネリック」の場合を除いてあまりなく、電機メーカーや精密機械メーカーのような大量の出願を行うことはあまりありません。つまり、コアになる技術をだけを特許化することが多いのです。

したがって、これから技術系の企業を立ち上げるなら、医療分野での応用が可能な技術を開発するのが有望と言えるでしょう。また特許の数だけで、その会社が優良かどうかを判断するのは「少し気が早い」と言えるでしょう。

そして、これらの特許が有望か否かを判断するのは専門家の知見が必要になります。適切な専門家を見つけることが特許戦略において大変重要です。

参考

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000075662.html

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