奥村組、環境分野・エネルギー分野でのイノベーション創出に向け、名古屋大学と指定共同研究契約を締結
奥村組(大阪)と国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学は、組織間でのさらなる包括連携を強化するため、指定共同研究契約を締結し、第1回推進協議会を開催し、本格的な活動を開始したことを2023年10月10日に発表しました。
今後は安定的な水産資源の確保を目的に、市場が拡大している陸上養殖に適用可能な『電気による微生物脱窒プロセスに関する研究』、『超強力酸化触媒による環境汚染物質の分解技術に関する研究』に取り組むとのこと。加えて、探索型フィジビリティスタディにより、将来社会に必要となるインフラ技術をはじめとした新領域研究の発掘を目指します。
奥村組は、建設業界ではかなり大きなゼネコンで多数の施工実績を持っています。しかし建設業界は市場の拡大が頭打ちで、なおかつ人材難や採算の悪化などで厳しい状況に置かれています。
このような中、奥村組は新しい分野への積極的な進出を図ろうとしており、その一環として、環境やサステナブル分野への投資を活発化させています。
奥村組の特許を調査したところ、累計で2906件の出願がなされており、そのほとんどが建設技術に関するものです。この結果からも奥村組は技術力に自信のあるゼネコンと言えるでしょう。
しかし新規分野への進出は、特定の分野の技術だけでは対応できません。そこで大学との技術提携を結び、新規分野に対応した技術を学ぶことで、技術的な蓄積を図ろうとしていると考えられます。
一方の大学は、研究資金がいつも不足していることが多いです。そこで民間の資金を取り込むことで、研究資金不足を解消することができます。
このように、新しい分野に進出するときは大学や公共の研究機関の手を借りるということも選択の一つです。今回の技術提携は得意な技術分野が異なっていますが、その場合でも、相手側の実力を判断するのに特許の出願件数を考慮しているものと考えられます。
なおこの場合、技術分野よりも、単純に特許の出願件数が多ければそれだけ潜在的な企業のポテンシャルが高く評価されやすいだろうと予想されます。
そして特許の出願件数で企業ポテンシャルを評価されるのは、中小企業であっても変わりません。自社の核心的なノウハウを開示しない範囲で技術の売り込みを図ることは、「技術で食べている」企業にとってこれからますます重要になるでしょう。
参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000126184.html
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元機械技術者のWEBライター。その後は→専門商社→特許技術者へと渡り歩く(飲み歩く)。その後フリーランスで特許調査に関わる。ミドル世代。
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