日本発デカコーン創出へのチャレンジ。新産業人材流入のカギは政府の5か年計画
特許庁が運営するスタートアップの知財コミュニティポータルサイト「IP BASE」で、グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社(GCP)代表パートナー、高宮慎一氏のインタビュー記事が2023年2月28日に公開された。
高宮氏はインタビューの中で、GCPが注目する次世代産業の領域、その領域における知財戦略、日本のスタートアップエコシステムに求められる要素について語っている。
この10数年間で、スタートアップ投資額は2009年の約350億円から、2021年には約8千億円へと大きく成長している。次のステップは、1社で産業になるようなデカコーン、つまり時価総額1兆円企業の創出だ。
2013年頃からアベノミクスの成長戦略として政府がスタートアップ支援に力を入れるようになり、政府が打ち出した『スタートアップ育成5か年計画』では、マーケット原理を働かせてスタートアップ・エコシステムを自走させていくという次なる課題に取り組んでいる。
Web3を含めた次世代の新しい産業では、特許を取るか否かに関わらず知財戦略は必須となる。スタートアップの体力と競争戦略上の重要度から『むやみに特許を取ればいい』というのではなく、ROIを考え戦略的に特許取得の是非を検討する必要がある。コア特許に絞って取る形、場合によっては意図的に特許を取得せずにノウハウ化するという選択もあり得る。
特許だけでなく、商標や著作権といった知財の扱いにも注意が必要である。特に欧米は知財の無断使用に厳しい。権利化しないものも含めて戦略的に考えておくことは大事である。
ビジネスにおける知財戦略の重要性は高まっており、スタートアップは限られたリソースを使って自社技術の特許化や他者特許の監視をバランス良く行っていく必要がある。今後は、知財の専門家と経営者がリスクとリターンを協議しつつスピーディに知財戦略を実行することがより一層重要となる。
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https://ipbase.go.jp/learn/ecosystem/page33.php
参考
https://initial.inc/enterprise/resources/japanstartupfinance2022
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/suikusei_dai3/siryou1.pdf
https://www.globiscapital.co.jp/ja/
https://ipbase.go.jp/
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特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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