より良いがん治療の実現を目指して!アルファフュージョン、アスタチン創薬を加速
アルファフュージョン株式会社(代表取締役CEO:藤岡直、大阪府大阪市北区)は、新規参画となるベンチャーキャピタル(VC)に加え、日本を代表する重工業及びエンジニアリング大手企業、科学技術振興機構(JST)が参画した総額4.5億円の第三者割当増資を実施したと、2023年3月7日にプレスリリースにて報じた。
アルファフュージョン株式会社は「アスタチン(At-211)を用いた標的α線核医学治療」をがん患者に届けるために立ち上げられた。
標的α線核医学治療(Targeted Alpha Therapy; TAT)は、α線を出す物質を体内に静注して、がん細胞に集積する化合物(リガンド)と結合させ、その物質からα線を放射させて物理的にがんを攻撃する手法だ。従来のβ線やγ線を用いた方法よりも、精密かつ強力にがん細胞を殺傷できると期待されている。
そのためTATは、従来の薬剤では治療困難ながんや全身に転移したがんの治療にも効果があげられるのではないかと期待される。
アルファフュージョン株式会社ではTATの実用化に向けて、α線を出す物質としてアスタチン(At-211)を有望視し、研究を進めている。
抗体に限らず、低分子・中分子化合物といったリガンドに付与(共有結合)できるなど、有望な性質を持つアスタチン(At-211)だが、今までは製造(抽出・精製含む)が困難であったことや、実験のノウハウが乏しかったため、世界的にも実用化の検討は遅れていた。
以上のような問題の解決のために、アルファフュージョン株式会社では大阪大学や理化学研究所等の研究者や機器メーカと連携を進めることで、アスタチン医薬品の実用化を世界に先駆け推進してきた。
このように新規の薬剤を開発し、無事実用化となった場合、開発企業が権利を確保するためには開発した薬剤の内容で特許を取る必要がある。
医薬品の特許は他の特許と比べて特殊な面があるため、開発に莫大なお金がかかる医薬品の世界では、この特許はとても重要視されている。
医薬品の特許は権利保持期間が20年だが、これは特許の出願日から起算して20年なので、早いタイミングで特許を出願してしまった場合、その先の製造承認に10年以上かかり、実際に専売できる期間は5年ほどというケースもあり得る。
そのため、なるべく専売期間を長くするためには知財戦略が重要になってくるのである。
参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000091191.html
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ウェブライターの星野小夜子と申します。知財、特に著作権法に興味があります。
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