ウイスキーを模したイヌのおもちゃ。商標権巡る争いが米最高裁へ
米国テネシー州の酒造メーカー ジャックダニエルと、同社の製造するウイスキーの外見を模倣したイヌのおもちゃメーカー VIPプロダクツとの商標権を巡る争いが、首都ワシントンの米連邦最高裁で審理されたと、2023年3月22日にAP通信が報じた。
この裁判では、VIPプロダクツがジャックダニエルの商標権を侵害したかどうかが争点となっている。
VIPプロダクツは「基本的にパロディは保護されるべきだが、それは商標権が保護すべき性質のものではない」と主張している。また「もし突然、ジャックダニエルについてのジョークを言えなくなったら、政党についてのジョークも言えなくなるかもしれない。その次には、表現の自由などを規定した憲法修正第1条の、非常にデリケートな領域に踏み込んでしまう」とも言及している。
これに対してジャックダニエル側は「消費者がイヌのおもちゃを見て、ジャックダニエルの製品だと思い込み、混乱する可能性がある」と主張している。
1回目の審理は1時間半にわたって開かれたが、9人いる判事の内3人がほとんど発言しなかった。この争いの結果がどちらに転ぶかは分からない状況だ。
このおもちゃは、酒、ビール、ワイン、ソーダのボトルを模したVIPプロダクツの「Silly Squeakers」と呼ばれるシリーズで、 マウンテンデューをパロディにした「Mountain Drool」、ハイネケンをパロディにした「Heini Sniff’n」などがある。 2008年の裁判所では、バドワイザーのパロディ商品「ButtWiper」の販売が禁止されている。
パロディ商品は消費者からすると楽しい面もあるが、模倣される企業からすると積み上げたブランドイメージを崩される可能性もある。パロディ商品を販売する場合には、訴訟を避けるためにもオリジナル商品を販売する企業と事前に合意しておく必要があるだろう。
参考
https://news.yahoo.co.jp/articles/a19a258d00876ea765ae568a115e206af1d5c2f1
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特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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