藻類産業を構築するプロジェクト「MATSURI」が規模拡大~バイオ産業と特許~
ちとせグループの中核法人である株式会社ちとせ研究所は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が公募するグリーンイノベーション基金事業のプロジェクトに提案し、実施予定先として採択されたと、2023年3月27日に報告しました。
ちとせグループは、石油産業に代わる藻類基点の新産業を構築するプロジェクト『MATSURI』にて、様々な立場や業種の他機関と協働し、バイオ製品の開発に向けた取り組みや実証を行っています。今回のプロジェクトの具体的なテーマは微細藻類を用い、太陽光をエネルギー源、二酸化炭素を直接原料とした化学品・燃料・食品・飼料等の商業生産を通じた、カーボンニュートラルの実現です。
藻を利用したバイオ産業は、近年様々なバイオベンチャーが参入し、競争が加速しています。これは藻を利用して、太陽光と二酸化炭素を原料としたバイオ産業が大変有望と考えられるからです。
そして藻は植物ですから二酸化炭素を吸収し酸素を吐き出します。このため有用な藻を発見し培養することで、カーボンニュートラルと経済活動を両立させられると考えられています。
そこで、今回の採択されたプロジェクトのメンバーのちとせ研究所の特許を調査しました。その結果、2012年~2018年の間に6件の出願がなされています(特願2018-084767など)
そしてそのほとんどが「藻」に関する特許です。
ちとせはバイオベンチャーとしては中くらいの規模の企業です。様々な大手企業と共同プロジェクトを実施しています。キーテクノロジーである藻に関する技術は特許で押さえておき、それ以外の部分は、ほかの企業に任せるという戦略をとっているものと推定されます。
このようにベンチャーや中小企業の経営戦略としては、「キーテクノロジーを押さえる」というのが上手なやりかたです。そのために特許を使う方向性です。
参考
https://chitose-bio.com/jp/news/5188/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000034251.html
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元機械技術者のWEBライター。その後は→専門商社→特許技術者へと渡り歩く(飲み歩く)。その後フリーランスで特許調査に関わる。ミドル世代。
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