三菱化工機が「汚泥熱可溶化装置」第1号機を完成
三菱化工機株式会社は、唐津市浄水センターへ納入する「汚泥熱可溶化装置」の当社第1号機が完成検査に合格したことを、2023年3月28日に報告しました。
下水には様々な資源が含まれています。水温が高く排熱を回収できる可能性があり、また汚泥にはメタンガスなどの燃焼可能なガスが含まれています。このようなバイオガスを資源として取り出すのが、水処理関連分野の近年のトレンドになっています。
汚泥熱可溶化装置は、熱処理による汚泥可溶化と呼ばれる技術を、従来の下水処理方法に取り入れて、排出汚泥を少なくしバイオガスの増収を図るしくみです。
本装置を組み込んだプロセスでは、従来の下水処理設備から発生する脱水した消化汚泥に高圧蒸気を吹き込み、160~170℃に保たれた可溶化タンク内での水熱反応によって、汚泥中の分解の難しい成分を分解します。それを下水処理設備に送り返して、処理能力を向上させ、汚泥を減少させバイオガスの増収を図ります。
そこで特許を調査したところ、2004年~2013年にかけて「熱可溶化」技術全体では17件の出願がありました。そのうち、三菱化工機分は9件(特願2013-101080など)あり、出願全体の半数以上を占めています。このことから、三菱化工機がこの分野に力を入れていることが分かります。
また全体の半数以上の権利を保有していることから、将来三菱化工機がこの分野で高いシェアを占める可能性があることも、ある程度予測できます。市場のシェアの具体的な数字は特許調査でははっきりとは分かりませんが、このような推測もできるのです。
参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000116512.html
https://www.kakoki.co.jp/news/pdf/p220106.pdf
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元機械技術者のWEBライター。その後は→専門商社→特許技術者へと渡り歩く(飲み歩く)。その後フリーランスで特許調査に関わる。ミドル世代。
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