超高張力鋼で製造したパイプの用途を開拓・サステナブル社会を目指すシンニチ工業~技術の蓄積と特許~
シンニチ工業は創業以来、独自の溶接・塑性加工技術による「連続造管」方式で、パイプの製造を行っています。そして、一般的な材料に比べて強度が高いにもかかわらず約65%軽量である超高張力鋼を加工したパイプの製造を目指すことにしたと、2023年4月1日に発表しました。
高張力鋼は「ハイテン(ハイテンション)」とも呼ばれ、従来の鋼に比べて強度が高く、同じ強度ならより軽くすることができます。近年では自動車のボディーなどの金属製品の軽量化に貢献しています。反面、加工が難しく高張力鋼の加工には高い技術力が要求されます。
シンニチ工業は、1970年の創業以来鋼管の製造に取り組んでいます。そのため技術の蓄積があり、今回の挑戦につながったと推定されます。
そこで技術の蓄積を見るために、特許を調査しました。その結果、1975年~1991年の16年間に16件ほどの出願があります(特願平03-068014など)。その多くが鋼管の関連の特許です。
また、近年では特許出願がなされていません。これは新しく特許を出願せずに、既存の技術で各事業に対応してきたためと考えられます。もっとも今回の挑戦で新たな特許出願がなされるもしれません。
今回の事例のように、古い技術でもそれを生かして会社の経営につなげている中小企業はたくさんあります。新しいものがすべていいかというと、必ずしもそうではないという好例です。
参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000113559.html
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元機械技術者のWEBライター。その後は→専門商社→特許技術者へと渡り歩く(飲み歩く)。その後フリーランスで特許調査に関わる。ミドル世代。
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