衛星データから仮想世界を自動生成するAI技術が特許化
株式会社スペースデータは2023年3月22日、衛星データから仮想世界を自動生成するAI技術の特許(特許第7232552号)を取得したと、プレスリリースで発表した。
スペースデータ社は、衛星データと3DCG技術を活用してバーチャル空間に現実そっくりの仮想世界を自動生成するAI技術を開発している。人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させる。
本特許における同社のアルゴリズムは、従来の3D地球儀が苦手とする「人間視点での3Dモデル」を自動生成することを得意としている。この3Dモデルは、近い距離でも景観が劣化しにくく、VR・ゲーム・映像制作といった三次元空間を人間の視点で動き回るような用途にも活用しやすい。
実際2023年3月30日には、スペースデータの代表・佐藤 航陽氏が自身のTwitterで、本技術を応用しわずか3日間でゲームを作り上げている。
AIに生成させたバーチャル新宿をFortnite上にぶち込んでゲームできるようにしてみた(開発期間は3日)。Fortnite上に並行世界が作れそう。
— 佐藤航陽 🌎 著書「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」 (@ka2aki86) March 30, 2023
ChatGPTと連携してゲームシステム・ストーリー・会話などもAIに作らせて、VR対応できればガチのマトリックスだな。#UEFN #Fortnite pic.twitter.com/Ras5FUvtoD
衛星データに機械学習をかけて「物体の種類・形状・色・材質・高さ・広さ・役割」など地上の構造物の意味をシステムに理解させた上で、3Dモデルとして再変換をかけている。そのため、近づいても景観を劣化させずに表現できる。
今回発表された特許は2022年4月11日に出願され、1か月後の5月9日に審査請求され、早期審査を経て2023年2月22日に登録となっている。現時点ではスペースデータ社としては本特許しか公開されていないが、2022年に他の特許も出願されている可能性がある。今後に公開される特許も含めて注目していきたい。
参考
ASCII STARTUP:https://ascii.jp/elem/000/004/130/4130315/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000080352.html
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特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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