特許庁「令和4年度我が国の知的財産制度が経済に果たす役割に関する調査報告書」を掲載
2023年4月3日、特許庁は令和4年度「我が国の知的財産制度が経済に果たす役割に関する調査報告書」をホームページで公開した。
特許庁では、国内外の企業等の特許出願関連行動や知的財産戦略を分析することにより、技術革新およびその産業化を促進する知的財産システム構築に向けた産業財産権制度や政策策定のための調査、また諸外国で行われている知的財産制度に関する統計学的・計量経済学的な分析についての調査を行っている。
これは近年、日本の更なる経済成長の達成や技術革新の加速化に向けて、知的創造活動が果たす役割に期待が高まっていることが背景にある。そのため、知的財産によってもたらされる経済成長や技術革新を導くための制度について、研究・議論が盛んに行われている。
令和4年度の調査報告書においては、次の結果がまとめられている。
- 研究開発活動に対する特許のオプション価値に関する分析
- 企業の知財情報開示に関する分析
- 発明者の組織間移動に関する分析
- 特許庁の施策に資する国内外の計量経済学的研究の調査
本調査報告書によれば、企業の有価証券報告書を通じて、どのような知財関連情報が開示されているかを知ることができる。
また開示される情報の内容についての問題点も指摘されている。例えば「グリーンウォッシュ」「SDGsウォッシュ」といった情報は、投資家の判断を大きく左右する要素のひとつだ。そのため、投資家の判断を誤らせるような情報が開示される問題がある。
特に、企業の知財部門の責任者にとっては自社の知財活動方針を決定するうえで参考にできるだろう。
参考
特許庁ホームページ:https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota/keizai_yakuwari.html
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特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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