共立理化学研究所、食品工場から出る油脂の適正管理を低コスト・簡単・迅速に測定できる試薬をリリース
2023年4月6日、共立理化学研究所は「パックテスト® 動植物油脂」という試薬を3日よりリリースしたと発表しました。
「パックテスト® 動植物油脂」は油脂類を多く含む排水による配管の詰まり・設備トラブルを防ぐための排水管理や公共用水域への油脂の放流を防ぐために、定期的な調査や日常管理に使用できます。
油脂を排水管に流すと、水質汚濁や配管詰まりの原因となります。共立理化学は排水中の油脂濃度を簡単に測定する検査キットのニーズが大きいとの判断から、製品開発を行い発売に至りました。
測定原理として、健康診断の血液検査で中性脂肪を測定する手法を水質検査に応用しています。開発者は、社内の健康診断結果を眺めていてアイデアが生まれたそうです。
共立理化学研究所は創業が1952年で、古くから水質分析製品の開発に特化した企業です。「元祖ベンチャー企業」の一つといってもいいでしょう。この分野の市場規模はあまり大きくありませんが、確実な需要があり、堅実にビジネスを展開してきたといえます。
そこで、特許と商標を調査しました。特許は1977年~2021年の間に23件の出願がなされており、今回の新製品に関連する特許は、特願2003-379207と考えられます。
また商標は、1975年~2020年の間に13件の出願がなされており、「パックテスト」の出願は、商願平06-095879(他1件)です。
特許はこの規模の企業としては多い数字です。研究開発に力をいれていると推定されます。今回の新製品は誰でも手軽に水質検査をおこなえるように開発されたもので、簡便・迅速な検査が可能なものです。共立理化学としては、研究機関だけではなく広く一般の人々にも普及させたいとの狙いがあります。
そこで、商標を長期間維持することで製品の信用を高め、セールスにつなげることが重要となってきます。共立理化学の戦略として、とにかく長く続けることで、信用を得ていくという、ビジネスの基本を忠実に守っている企業といえるでしょう。
参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000118974.html
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元機械技術者のWEBライター。その後は→専門商社→特許技術者へと渡り歩く(飲み歩く)。その後フリーランスで特許調査に関わる。ミドル世代。
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