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温泉に潜む藻のエキス技術が魚の養殖に寄与。技術を支える微生物特許とは?

株式会社SARABiO温泉微生物研究所(本社:大分県別府市、代表取締役社長:濱田拓也、以下”サラビオ”)は、大分県別府市に湧出する温泉に生息する微生物(温泉藻類RG92)のエキスを餌に混ぜて与えた「フォアグラヒラメ」の本格出荷を開始したと2023年4月13日に報じました。

出典:PR TIMES

サラビオは、温泉微生物の研究を進めるバイオテクノロジーカンパニーとして、温泉の藻(微生物)に関する本格区的な技術開発に取り組んでおり、2011年には地元・大分県の資源である別府温泉から、高い抗炎症、抗糖化、抗酸化作用を持つ新種の微生物「温泉藻類RG92」 を発見し、関連する特許を2015年に取得しております。

微生物特許について

特許第5676702号
【発明の名称】藻類体から抽出したエキスを含有する組成物、及び化粧用組成物、炎症性疾患の治療・予防薬、並びに新規微生物

この特許の発明の名称を読んで気になった方もいらっしゃるかと思います。この特許の発明の名称には、”新規微生物”という言葉が含まれております。

実際に、請求項でも次のような記載があります。

【請求項4】
請求項1記載の組成物に含まれるエキスを生産する、Chlorophyta(緑藻植物門)A07株(受託番号 FERM P-22243)の新規微生物。
【請求項5】
請求項1記載の組成物に含まれるエキスを生産する、Chlorella sp.(クロレラ属)A03株(受託番号 FERM P-22242)の新規微生物。
【請求項6】
請求項1記載の組成物に含まれるエキスを生産する、Chlamydomonas sp.(クラミドモ
ナス属) A13株(受託番号 FERM P-22240)の新規微生物。
【請求項7】
請求項1記載の組成物に含まれるエキスを生産する、Chlamydomonas sp.(クラミドモナス属) A14株(受託番号 FERM P-22241)の新規微生物。

このように、微生物が特許になりうるケースがあることもぜひ覚えて頂きたい。

既存の微生物を特許にすることは当然できませんが、”天然物から人為的に単離した微生物”であれば特許になりうるとされています。

微生物特許には通常の特許出願とは異なり、微生物の存在(発明の完成)を証明し、当該機関は寄託された微生物を第三者に分譲することによって発明の再現(技術の公開)を保証する”特許微生物寄託”という制度もあるため、ご興味ある方はこの点もご留意ください。

昨今、サステナブル観点からもバイオ材料・微生物に注目が集まっており、様々な研究開発が行われています。

生物は特許にならないというように思われていた方は、一度弁理士に相談されてみてはいかがでしょうか。

参考

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000038987.html

ライフサイエンス分野の審査基準について | 経済産業省 特許庁

微生物寄託に関するご案内 | 経済産業省 特許庁

特許微生物寄託とは | バイオテクノロジー | 製品評価技術基盤機構

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