商標審査のガイドラインを公布・営業秘密侵害民事事件訴訟挙証参考を発表・等 -中国知財ニュース-
(2021年11月発行)
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本ニュースは、中国での知財活動を支援する「北京フェアスカイ特許法律事務所」がお届けしています。
(提供:北京フェアスカイ特許法律事務所)
目次
国家知識産権局が『商標審査審理指南』を公布
商標審査審理手続を規範化し、商標審査審理の各段階における法律適用の統一と基準執行の一致を保障するため、2021年11月16日に、国家知識産権局は新たに作成した『商標審査審理指南』(商標審査審理ガイドライン)を公布すると共に、当該ガイドラインは2022年1月1日から施行し、元の『商標審査及び審理基準』は同時に廃止することを公示した。
商標審査審理指南』ダウンロードリンク
https://www.cnipa.gov.cn/attach/0/123456011.pdf
出所:国家知識産権局
北京知識産権法院が『営業秘密侵害民事事件訴訟挙証参考』を発表
2021年10月29日、北京知識産権法院は記者会見を開き、 『北京知識産権法院の営業秘密侵害民事事件訴訟挙証参考』(中国語・英語版)を発表した。
『挙証参考』は、 『中華人民共和国反不正当競争法』 『最高人民法院による営業秘密侵害民事事件の審理における法律適用の若干問題に関する規定』等の法律及び司法解釈に基づき、『 北京市高級人民法院による知的財産権民事訴訟の証拠規則に関するガイドライン』等の関連規定を参考にし、裁判の実態と営業秘密侵害民事事件に存在する主要問題を踏まえ、権利の基礎、権利侵害行為、民事責任の負担請求、手続事項の4面に係る内容をまとめたもの。
『挙証参考』は、営業秘密の法定要件、よく見られる権利侵害行為の類型、権利侵害行為の抗弁事由、損害賠償の挙証責任及び認定、懲罰的賠償の考慮要素、訴訟保全、弁護士調査命令、刑事民事交差等の問題を重点的に取りあげ、相応の指導を行っている。
以下のQRコードを読み取ると、『挙証参考』の中英対照版をダウンロードできます
出所:北京知識産権法院
賠償額約3億円(1,763.5万人民元):大型環境保護保護に関わる特許紛争事案の代理に成功
先般、南京市中級人民法院は、福建龍浄脱硫脱硝工程有限公司『(以下、「福建龍浄社」という)が某環境科技股份有限公司『(以下、「某環境会社」という)を訴えた発明特許権侵害紛争事件の一審判決を下し、某環境会社に対して、権利侵害行為を停止し、福建龍浄社の経済損失と権利行使合理的支出の合計1,763.5万人民元を賠償するよう命じた。
【事件概要】
係争特許は
ZL200810070529.5号
発明名称
「焼結煙の乾式除去方法及び装置」
であり、2016年中国特許優秀賞、福建省特許2等賞及び2014年アモイ市特許1等賞を獲得している。
国家の環境保護要求に応じた乾式脱硫技術の普及に伴い、同業者の中に福建龍浄社の特許権を侵害する権利侵害者が現れた。自社の特許権を保護するために、2019年8月、福建龍浄公司は特許権侵害を理由に、某環境会社を南京市中級人民法院に訴えた。
【判決のポイント】
1.権利侵害で訴えられた設備は係争特許権の保護範囲に入る
本件の争点は、権利侵害で訴えられた設備が係争特許のクレームで限定された3つの技術的特徴を備えているか否かにある。これに関し、法院は双方の挙証を総合的に考慮し、挙証責任の配分、事件審理における被告の重要事実の自認、及び侵害被疑設備の環境アセスメント報告から、当該設備が係争特許の全ての技術的特徴と1対1で対応しており、その保護範囲に入り、侵害を構成していると認定した。
2.被告である某環境会社が負うべき権利侵害責任
被告の某環境会社が製造、設置した権利侵害で訴えられた設備は係争特許の保護範囲に入り、係争特許の権利を侵害しており、権利侵害の停止、損害賠償の責任を負わなければならない。
損害賠償額について、法院は、権利侵害で訴えられた設備に係る契約書の金額、業界平均利益率、権利侵害で訴えられた設備における係争特許の技術貢献率を総合的に考慮して、10%の利益率を確定した。これにより、被告が侵害行為により取得した利益は1,738万人民元であると認定し、更に権利行使の合理的支出25.5万人民元との原告の福建龍浄公司の主張を全額支持した。最終的に、裁判所は被告に原告の経済損失と権利行使の合理的支出の合計1,763.5万人民元を賠償するよう命じた。
【案件の意義】
北京フェアスカイ特許法律事務所は、本件の勝訴側を代理した。
本件において、フェアスカイチームは特許無効及び侵害訴訟の手続の特徴を総合的に考慮し、事実を根拠として強力な論争を行った。特に、福建龍浄公司の技術チームは事件の審理に深く関与し、事件の円滑な推進のために技術的障害を取り除いた。
これに加えて、フェアスカイチームは合理的な訴訟戦略を構築し、法廷での被告の陳述、意見及び証拠の抜け穴をつかみ、被告による核心的な侵害事実に対する『「自認」を法院に認定させ、対抗手段において訴訟戦略をどのように構築し、被告に侵害を自認させるかについて、参考例を提供した。
中国の北京に本社を構え、アメリカ(サンフランシスコ)・日本(東京)にオフィスを展開している北京フェアスカイ特許法律事務所。
知財の係争を得意としており、中国では数多くのビックアントの知財係争をサポートしてきました。
日本の中小企業の中国進出を積極的に支援しており、日本語の堪能なスタッフがしっかりと中国での権利化をサポートします。
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