北京市高級人民法院、知的財産権民事訴訟における 懲罰的損害賠償の適用に関するガイドラインを発表・等
(2022年5月発行)
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本ニュースは、中国での知財活動を支援する「北京フェアスカイ特許法律事務所」がお届けしています。
(提供:北京フェアスカイ特許法律事務所)
4 月 25 日、北京市高級人民法院は記者会見を開き、「知的財産権侵害民事 訴訟における懲罰的損害賠償の適用に関するガイドライン」及び懲罰的損害 賠償適用に関する典型事例を発表し、知的財産権侵害民事訴訟における懲罰 的損害賠償の適用基準をさらに標準化し、法律に基づき知的財産権の司法保 護を強化することを明らかにした。
「ガイドライン」は合計 51 条あり、懲罰的損害賠償の適用要件、計算方式 など実体的・手続的課題を具体的に規定した。
「ガイドライン」には、裁判実務に照らして、異なるタイプの知的財産権事 件における懲罰的損害賠償の適用に関する一般規則を纏めたこと、懲罰的損 害賠償の要件の認定を簡略化し、侵害が意図的かつ重大である状況を作り出 したことで足りること、技術革新の成果を重視し、重要な中核技術、重要分野、新規産業の保護を強化したこと、懲罰的損害賠償に適用すべき総額の計算方 法を明確に示したこと、積極・・慎重主義を強調し、懲罰的損害賠償適用のため の体系的考えを提供したことなど、多くの規定が含まれている。
「ガイドライン」の原文は、以下の QR コードをスキャンしてダウンロードできます。
目次
国家知識産権局、「ハーグ協定加盟後の関連業務処理に関する暫定弁法」を発表
022 年 5 月 5 日から中国で発効するハーグ協定の実施を確実にするため、 国家知識産権局は・「ハーグ協定加盟後の関連業務処理に関する暫定弁法」を策定し、最近公布した。当該暫定弁法も、2022 年 5 月 5 日から施行される。
「ハーグ協定加盟後の関連業務処理に関する暫定弁法」(日本語版)は、以下の QRコードをスキャンしてダウンロードできます。
国家知識産権局、商標の悪意登録行為の 持続的、厳格取締に関する通知を公布
先般、国家知識産権局は・「国家知識産権局の商標の悪意登録行為の持続的、 厳格取締に関する通知」(以下、「通知」という)を公布し、引き続き・「ゼロ・ トレランス」の姿勢で悪意の商標登録の取締を行うこととした。
本通知は、使用を目的としない悪意ある商標登録出願について、商標審査審 理ガイドラインに規定された要件に基づき、商標ストック、ただ乗り、ホットスポット利用などの商標の悪意出願及び冒認出願行為の是正を強化するもの。 通知において、社会が商標登録秩序の管理に広く参加するよう指導し、未使 用商標資源を開放する・「公益的不使用取消」を秩序的に展開するよう強調している。
また、悪意ある買い占めによる商標権の譲渡を制限し、譲渡商標の使用 状況に関する事前審査を強化するとしている。 本年第1四半期に、国家知識産権局は審査手続きにおいて、悪意あるストッ ク商標出願を 12,200 件拒絶し、悪意ある商標冒認出願を 1,628 件拒絶し、職 権による自主的無効宣告を 707 件行ったと報告した。
出所:国家知識産権局
最高人民法院、2021 年の中国法院における知的財産権案件トップ 10 と
典型的な知的財産権案件トップ 50 を発表
- フェアスカイの代理案件が、それぞれ選定 -
4 月 21 日、中国最高人民法院は記者会見を行い、2021 年の中国法院にお ける知的財産権案件トップ 10 及び典型的な知的財産権案件 50 を発表した。 北京フェアスカイ特許法律事務所が代理した 2 件の案件が、それぞれ入選された。
選定案件①
嘉興市中華化工有限責任公司、上海欣晨新技術有限公司及び王龍集団有限 公司などの技術秘密侵害案件【最高人民法院(2020 年)最高法知民終 1667 号民事判決】 本案は、2021 年の中国法院における知的財産権案件トップ 10 に選定された。
選定案件②
東瀚霖生物技術有限公司及び国家知識産権局、上海凱賽生物技術股份有 限公司発明特許権無効行政係争案件・【(2020)最高法知行終 564 号行政判決】 本案は、2021 年の中国法院における典型的な知的財産権案件トップ 50 に選定された。
出所: https://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-355881.html
北京商標協会、2021 年の典型的な商標訴訟案件トップ 10
及び典型的な商標非訴訟案件トップ 10 を発表
- フェアスカイの代理案件が、それぞれ選定 -
2022 年 4 月 26 日、北京商標協会は、2021 年の典型的な商標訴訟案件トッ プ 10 及び典型的な商標非訟案件トップ 10 を発表した。北京フェアスカイ特 許法律事務所が代理した 2 件の案件が、それぞれ選定された。
選定案件①(訴訟案件)
「美巢集団」が「美巢建材」を訴えた商標権侵害・不正競争紛争案件本案は、今年 3 月に四川省法院 2019-2021 年度代表的不正競争事件トップ10 に選定された。
選定案件①(非訟案件)
商標「LE・MANS・66・ 及び図形」の拒絶査定不服審判案件
【案件概要】
国家知識産権局商標局は、「LE・MANS」が公知の外国地名であることを理由 に、商標法第 10 条第 2 項に基づき、出願商標の中国指定申請を却下した。 拒絶査定不服審判の審理を経て、出願商標の英文・「LE・MANS」は、一般に 知られている外国地名であるが、出願人はフランスのルマン出身であるから、 出願商標にある地名は出願人の所在地を真に表現しているに過ぎず、本願商標は、商標法第 10 条第 2 項に該当しないと判断された。
【案件意義】
この案件は、一般に知られている外国地名を含む商標が中国でどのように 登録保護されるかについて、参考となるものである。 レース名に発祥地の地名を入れるのは業界慣行であるが、一般に知られて いる外国地名であるため、商標法 10 条 2 項の登録・・使用禁止に該当し、比較 的厳しい法的結果となっていた。 出願商標・「LE・MANS・66・ 及び図形」は、1966 年に開催された・「24H・LE・MANS」 を記念して出願人がデザインした商標である。出願人は、1923 年から「24H・ LE・MANS」を実施していることを陳述することで、出願商標が合理的な出所・・ 由来を持つことを証明した。出願商標には一般に知られている外国地名が含 まれているが、出願人の所在地はフランスのルマンであり、その地名は出願人 の所在地を示すに過ぎず、公衆に誤解を与えるものではないとされた。
中国初の医薬品パテントリンケージ訴訟案件を成功裏に代理
2022 年 4 月 15 日、北京知識産権法院は、原告(某海外製薬企業)と被告 温州海鶴薬品有限公司・(以下、「海鶴公司」という)間の中国初の医薬品パテ ントリンケージ訴訟案件についてオンライン審理を行い、海鶴公司の後発医薬品の技術方案は、原告の特許請求の範囲に属さないと判断し、原告の請求を 棄却するとの判決を下した。
本件は、昨年 7 月に中国で医薬品パテントリンケージ制度が実施されて以 来、初めて判決された案件であり、医薬品パテントリンケージ制度で、特許権 の保護範囲の確認に関する中国初の案件として、広く社会の注目を集めた。 海鶴公司は、現地の老舗製薬会社で、約 9 年かけて係争薬品の研究を行っ てきた。
法院は、後発医薬品の技術方案は原告の特許権の保護範囲に含まれて いないことを確認し、海鶴公司の係争薬品の行政承認、マーケティング、販売 に道を開いた。
北京フェアスカイ特許法律事務所は、本件の勝訴側を代理しました。
中国の北京に本社を構え、アメリカ(サンフランシスコ)・日本(東京)にオフィスを展開している北京フェアスカイ特許法律事務所。
知財の係争を得意としており、中国では数多くのビックアントの知財係争をサポートしてきました。
日本の中小企業の中国進出を積極的に支援しており、日本語の堪能なスタッフがしっかりと中国での権利化をサポートします。
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