有名YouTuberの商標は誰が持ってる?指定商品の選定は? -iP Times.-
(この記事は、2023年9月1日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆YouTuberになりたい方や、YouTubeの仕事に興味がある方
☆YouTuberと一緒に仕事している方
本記事のここがポイント!
YouTubeの普及など、SNSがより身近になるにつれて、誰でもクリエイターや芸能活動ができる世の中になってまいりました。そして、個人のブランディング化も進むことで、普段の生活と商標が身近になってきています。
これからSNSを通じて何か事業に挑んでみたいと考えている方は、ぜひこの記事を通じて、人気YouTuberがどのように取り組んでいるか、ぜひ見てみてください。
Fischer’s-フィッシャーズの事例
皆さんは、人気YouTuberのFischer’s-フィッシャーズをご存じでしょうか?
様々な年代にも人気の6人組で、UUUM所属のクリエイターとして活躍中です。
動画配信以外にもコラボ商品が存在する彼らについて商標を調べてみると、次のような状態になっていました。
(称呼:フィッシャーズでJ-PlatPatにて検索)
区分としては、表のような指定商品になっております。
配信や広告収入が主事業となるYouTuberですが、物販商品に関わる区分も押さえられています。この点は、様々な活躍をしているフィッシャーズならではの状況に思います。このあと別の方向性で活動するYouTuberさんも紹介するので、ぜひそちらの区分と比較してみてください。
区分 | 指定商品 |
---|---|
14 | キーホルダー,時計 |
16 | 紙類,書画,紙製包装用容器,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき |
18 | 傘 |
25 | 履物,仮装用衣服 |
28 | 遊戯用器具 |
35 | 広告業,求人に関する情報の提供 |
38 | オーディオ・ビデオ・静止画・動画・テキスト及びデータの送信・放送及び受信,映像等のストリーミング方式による通信,コンピュータを利用したメッセージの伝送交換,コンピュータユーザー間のメッセージ通信のためのオンラインチャットルームにアクセスするための接続の提供,インターネットによる音響・映像及びデータの通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供に関するコンサルティング,インターネット・イントラネット及びエクストラネット経由で提供される電気通信 |
そして、権利者は所属企業であるUUUMとなっています。
フィッシャーズというブランドは企業側が権利を取得しており、移籍や同ブランドを活用した新しい事業を行う際には、契約以外に商標観点でも注意が必要そうです。
バイリンガールの事例
フィッシャーズとは全然違う方向性で活動するYouTuberの商標も見てみます。
英会話コンテンツを提供する人気YouTuberのちかさんが運営するBilingirl。
こちらでは、ちかさんが様々な地域に行って使える英会話を紹介してくれます。過去には映画俳優のウィル・スミスさんともコラボしたことがあるという有名チャンネルになります。
彼女は吉田正樹事務所の所属で活動をされていますが、同チャンネルの商標権はご自身で保有しているようです。
区分 | 指定商品 |
---|---|
16 | 録音済み磁気テープ付き書籍,CD・DVD付き書籍,書籍,印刷物 |
35 | 広告業,広告用具の貸与 |
41 | インターネットを利用した英会話の教授,オンラインによる英会話学習に関する画像の提供,英会話に関するテレビ・ラジオ放送番組の制作,英会話に関するビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),英会話に関する雑誌(広告物を除く。)・書籍の制作,英会話学習に関するセミナー・シンポジウム・講演会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,コンピュータネットワークによる写真・映画・ビデオ作品又はゲームの提供(ダウンロードを伴わないもの。),通信ネットワークを利用した音声・音楽・静止画・動画の提供(ダウンロードされるものを除く。),オンデマンド方式による動画の提供(ダウンロードされるものを除く。),電子出版物の提供,音響・映像・静止画及び動画の制作 |
確認してみたところ、英語+カタカナ表記とカタカナ表記の2つ商標を取得しており、なおかつ区分の指定の仕方が異なっていました。
これは彼女が書籍を出版していること関係しており、表記の異なるバイリンガール(カタカナ表記)で書籍用に別途商標出願をされたようです。
彼女自身が事業に合わせて、区分の選定や出願の対応を適宜相談・検討していることが窺えます。
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まとめ
YouTuberの活動や契約状況に応じて、商標の権利帰属が変わったり、出願すべき指定商品も変わります。
今後、ますますこのように個人がクリエイター・発信者としてブランディングしていく状況は加速するかと思います。
これから挑戦される方は、ぜひ商標についてもしっかりと考えてみてはいかがでしょうか。
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