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商業施設×スポーツ!新しいアリーナにまつわるビジネスに必要な商標とは?

(この記事は、2024年6月23日に作成したものです。)

アリーナの新設が続く中、幅広い内容で商標出願がされるケースについて調べてみました。

昨今、日本のプロスポーツの盛り上がりが話題となっています。それに伴い、新たな競技場も建設ラッシュとなっています。

<新たに竣工・開業する競技場>

  • LaLa arena TOKYO-BAY(千葉県):2024年4月竣工
  • 長崎スタジアムシティ(長崎県):2024年10月開業予定
  • IGアリーナ(愛知県):2025年3月竣工予定
  • ジーライオンアリーナ神戸(兵庫県):2025年4月開業予定
  • アイシンアリーナ(仮)(愛知県):2026年10月竣工予定
  • 川崎新アリーナ(仮)(神奈川県):2028年10月開業予定

そして、競技場に商業施設を併設することで新たな街づくりにつなげようとしているところもあります。

今回は、そんなプロジェクトの特徴的なものを商標観点も含めて調べてみました。

LaLa arena TOKYO-BAY

LaLa arena TOKYO-BAYは、B.LEAGE「千葉ジェッツ」のホームアリーナとして利用されることとなる施設で、その他にも音楽コンサート、企業の展示会等様々なイベントに対応可能な大型多目的アリーナとなっています。

運営元は三井不動産とMIXIで、規模としては地上4階建てで延床面積は約31000平方メートルとなっております。

三井不動産は、スポーツビジネスを新たな事業の柱とすべく、同社の商業施設ビジネスとの相乗効果を図ろうとしています。

LaLa arena TOKYO-BAYは、隣接するららぽーと東京ベイ、ららテラス東京ベイと連携したサービスを展開することとなるそうです。

そんな、LaLa arena TOKYO-BAYですが、関連する商標登録も三井不動産からされておりました。

商標登録第6588924号
出願日:2022年1月27日
権利者:三井不動産株式会社
区分:
35類:広告業 等
36類:ショッピングモールにおける店舗及びその他の建物の貸与 等
41類:運動施設の提供及びこれに関する助言又は情報の提供 等
43類:会議室又は展示施設の貸与及びこれらに関する情報の提供 等

出願日が2022年1月下旬で、本プロジェクトの情報解禁が2022年2月2日でしたので、直前まで非公開の、機密性の高いプロジェクトであったことが伺えます。

というのも、公開商標公報は出願日から2週間程度で発行されるため、あまり早くに商標出願をすると、公報によって商標出願した事業のことが知られてしまうのです。

区分としては、35.36.41.43と多岐にわたっています。

参考までに比較的近しい規模である”横浜アリーナ”での商標登録では、

  • 第3009051号(旧42類:展示施設の貸与(42X10))※旧分類のため、現行では43類に相当。
  • 第3031863号(41類:アイススケ―トショ―場・コンサ―ト場・式典場・サ―カス場の提供,プロレスリング場・室内陸上競技場・バスケットボ―ル場・バレ―ボ―ル場・テニス場・運動会場・ボクシング場・相撲場の提供(41J01 41K02 42X10)

となっております。

LaLa arena TOKYO-BAYは、区分的に見れば横浜アリーナに35類・36類の追加がされているような形で、内容としてもららぽーととの連携が意識されていることが見て取れます。

ジーライオンアリーナ神戸

ジーライオンアリーナ神戸は、「神戸アリーナプロジェクト」と呼ばれる神戸市の新港突堤西地区の再開発事業の中心となるアリーナであり、B.LEAGE「神戸ストークス」のホームアリーナになる予定です。

運営会社は株式会社One Bright KOBEで、延床面積:約31,800平米、収容客数:約10,000人の施設として2025年開業を予定しています。

新アリーナの名称は株式会社ジーライオンがネーミングライツ(施設命名権)を取得し、ジーライオンアリーナ神戸となりました。

参考:「神戸アリーナプロジェクト」アリーナ名称を「GLION ARENA KOBE」に決定

商標としては、ジーライオンアリーナでの登録はなく、神戸アリーナで登録がありました。

商標登録第第6813591号
出願日:2023年12月14日
権利者:株式会社 One Bright KOBE
区分:
41類:スポーツの興行の企画・運営若しくは開催又はこれらに関する情報の提供 等
43類:集会場又は多目的ホールの提供及びこれらに関する情報の提供 等

また、同突堤については、次の名称及び商標でのブランディングを予定しているようです。

商標登録第6792679号
出願日:2023年12月14日
出願人:株式会社 One Bright KOBE
区分:
9類:インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル 等
16類:紙製包装用容器 等
25類:被服 等
35類:広告業 等
38類:電気通信 等
41類:運動施設の提供 等
42類:電子計算機の貸与 等
43類:集会場又は多目的ホールの提供及びこれらに関する情報の提供 等

商標の取得状況から推察するに、神戸アリーナおよびジーライオンアリーナ神戸でのブランディングよりTOTTEIKOBEでのブランディングやグッズ展開が想像できそうです。(Tシャツなどのグッズが出てきそうですね)

今回は、2つのアリーナにまつわる商標を調べてみました。
アリーナ自体の商標としては一般的に41類、43類を取得しますが、今回の例ではビジネスの展開を考えて、それ以外の区分についても取得を進められていました。
そして、ブランディングの軸がどこにあるかも、商標から推察できそうです。

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