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NBAのチーム名、その商標権は誰のもの?

(この記事は、2024年10月20日に作成したものです。)

4人目のNBA選手の誕生の期待から日本でも注目を集めているNBA。
今回は、NBAに関連する商標の登録状況について調べてみたいと思います。

河村勇輝選手がNBAに挑戦し、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結んだことは、日本バスケットボール界にとって大きなニュースとなりました。

2ウェイ契約は、NBAとその下部リーグであるGリーグの両方でプレーすることができる契約形態で、河村選手にとってNBAでの経験を積む重要なステップとなります。

2024年のシーズンも10月23日にいよいよ開始。

そして、日本人がNBAで活躍することで、日本でもよりNBAの人気が高まると思います。今でもすでに国内で多くのNBA関連グッズが販売されていますが、その商標権は誰が持っているのか調べていきましょう。

グリズリーズの商標はだれのもの?

今回河村選手が契約したチームは、アメリカ・テネシー州のメンフィスにあるグリズリーズというチームです。

実は日本でも、昔からグリズリーズの商標が登録されています。

古くは1994年に出願され、最近はチームロゴの商標も追加出願され、随時区分も増やされています。

権利者はNBA Properties, Inc.という会社で、NBAに関連する知的財産の管理をしているようです。

ところが米国では、グリズリーズの運営会社が商標を保有しています。

メンフィスグリズリーズの米国での商標登録の一部

つまり海外展開に当たっては、チームの運営者ではなくNBAの運営側であるNBA Properties, Inc.が責任を負っていることが伺えます。

実際にJ-PlatPatでNBA Properties, Inc.の登録状況を見ると、グリズリーズ以外のチームの商標やNBA自身の商標も出願・権利維持をしていました。

日本での登録事例の一部

これは、NBAの運営がアメリカ国外でのNBAに関する事業(放映権やライセンス事業)を一括で管理することで、ブランドのコントロールや効率化を図っているのでしょう。

参考として野球のMLBも見てみたところ、日本において、MLBに所属するチームの商標はMLB PROPERTIESという会社が管理しており、NBAと同様の構造となっていました。

日本のリーグはチームの商標をどう扱っている?

日本では、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.League)が展開されており、多くの選手が活躍しています。

河村選手は、昨シーズンまで同リーグ所属の横浜ビー・コルセアーズに所属していました。

このビー・コルセアーズに関する商標は運営会社が管理しており、「自国における商標は各チームの運営会社で管理する」という点はNBAと同様であります。

同チームの商標登録の一部

海外での登録状況は見つからなかったため、まだ出願されていない可能性が高いです。

これは、B.Leagueが海外での放送等の事業を行っていないことによるものであると考えられます。

しかし日本のバスケの成長に伴い、海外での認知・人気が高まればおのずと外国での商標出願が必要になるでしょう。

NBAでは、リーグ全体での一括した管理と展開を積極的に行っています。B.Leagueはどのように対応されるか注目です。

なお比較として、日本の野球チームが海外の商標出願をどうしているか調べてみたところ、各チームが必要に応じて自社で登録している模様でした。

株式会社読売巨人軍の韓国での登録

スポーツ業界における商標登録は、ファングッズや放送に関する分野(収益の柱)で非常に重要な権利になります。
一見、商標になじみがないように感じても、抜けもれがないように考える必要があります。

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