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オシャレ家電の代表格・バルミューダの知財戦略を分析!

(この記事は、2024年10月27日に作成したものです。)

デザイン家電としても大人気のバルミューダ。その商品のネーミングなどからも戦略的意図が見えます。
そんな同社の知財活動を調査してみました。

商品名の付け方と積極的な商標権取得

BALMUDA社の商品の多くは、BALMUDA The ○○といったように、一般的な家電の名称の前にBALMUDAを付けることで、ブランドを強調した商品名をしています。

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こういった形でのネーミングは、個々の商品についてのネーミング観点での特徴は失われるものの、よりブランド名が際立ち、マーケティングも集約できることから、効率重視の戦略と言えます。

以下の表は、記事作成時点で公式ホームページで販売されている商品と、関連商標をまとめたものです。

多くの場合、各商品名の「BALMUDA The ○○」で商標登録をしています。

BALMUDAを商品名に冠しているので、BALMUDA商標(以下の画像参照)でも保護できていると思われますが、さらに追加して各商品を守っているようです。

なお、出願が確認されていないBALMUDA商標もありますが、その使い分けについては不明です。

BALMUDA商標のみにすることで、商標の維持コストを抑制するという発想もありますが、同社はそういった手法は取らずに、個別の商品名の権利も取得する対応を続けています。

ちなみに、No.3 登録6064419号の出願時には区分が大きく拡充されています。

  • No.2 登録5489720号のとき…9,11類
  • No.3 登録6064419号のとき…3,7,9,11,12,21,28,29,30,32,35,37,41,42,43類

なお当初は20類も保有していたものの、こちらは放棄したのち、そのままのようです。

意匠を中心とした出願戦略へ

バルミューダの商品は、洗練されたデザインが人気のひとつ。それは、直近の知財活動からも見えてくるものと思われます。

日本での出願数推移としては、こちらの通り。

最初期は特許を中心に出願をしていましたが、2017年以降は意匠出願の比率か増えています。

内容としては次の通り、各商品の実施品の意匠を保護しています。

また、特許についても手を抜いているわけでは無く、継続的に出願がされています。最近では、同社の特徴的な調理家電に関する出願がなされています。

調理家電はバルミューダ社の主力事業でもあることから、集中的に投資をしているものと伺えます。

グローバル展開と知財戦略

BALMUDA社の業績情報を確認すると、韓国と北米を中心に海外展開を進めています。

海外展開を進める際には、グローバルな知財保護が必要です。各国の特許庁に登録された特許、意匠、商標を通じて、国際市場でも模倣品からブランドを守るための対策が求められます。

特に、中国や東南アジアなど、模倣品が問題となりやすい市場においては強力な知財保護が求められます。

そこで出願状況をチェックしてみたところ、海外主要事業である韓国、アメリカに加え製造国の中国においても出願実績が確認されました。海外展開に合わせて着実に知財権の取得を進めていることが伺えます。

KR301166219S
※韓国への出願
USD1005035S1
※米国への出願
CN308713231S
※中国への出願

いかがでしたでしょうか?
同社はこの数年、赤字の状況など経営としては苦しい環境も続いていますが、必要な投資として知財活動についても積極的に行われています。
また、その内容についても戦略的な意図が見え、今後の動向も注目に値するものと考えます。

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