築地?豊洲?人気の市場はどっち?商標から分析してみた
(この記事は、2024年11月26日に作成したものです。)
築地と豊洲、二つの市場の街を商標観点から分析してみました。
コロナ禍もピークを過ぎ、インバウンドの需要が再び伸び始めています。そんな中、海外の方からも人気なのが日本の海鮮。
豊洲市場の見学に足を運ぶ方も多い中、実は築地のほうも変わらずの人気を誇ります。今回は、そんな両者の地名に関わる商標の動向について調べてみました。
そもそも築地にまだ市場はあるの?
2018年10月に築地市場がなくなり、豊洲市場への移転したわけですが、これは「築地市場(場内)」のみが対象であり、「築地場外市場」は移転せず、そのまま営業を続けています。
豊洲市場は東京都が運営する「公設市場」であり、主に流通拠点施設としての役割を果たします。公設市場は「中央卸売市場」と「地方卸売市場」に分類され、豊洲市場は中央卸売市場に該当します。
一方、築地場外市場は個々の店舗が立ち並ぶ商業地域であり、豊洲市場とは性質が異なります。
築地場外市場が現在も存在しているのは、公設市場と商業エリアの性質や役割の違いがあることによります。
市場の築地というブランドは今もなお根強く存在する中、豊洲のほうも着実に知名度を上げているとこですが、関連する商標についてはどのような状況か調べてみました。
築地と豊洲に関する商標出願の動向
J-PlatPatで、商標に築地または豊洲を含むものを検索して、グラフにまとめました。
全体の印象として、築地に関する商標が多く残っています。一部は、放棄されてCloseとなっていますが、今もなお多くの権利が残っていることが見て取れます。
豊洲に関しては、2015年以降に少量ですが出願が見られます。これは、豊洲移転時期の前後ということもあり、移転に合わせた新たな事業に関する商標出願と考えられます。
実際の出願を見てみると、築地も豊洲も飲食関連の商標ばかりとなっております。
これは、市場を起点とした飲食業多くあることに由来するようです。
しかし都内に2つの大きな市場のエリアが併存する中、商標の観点から言えば、築地のほうがブランドとして価値が高いように伺えます。実際の歴史も、築地のほうが長いです。
また豊洲市場の取引量については、築地からの移転後、減少に歯止めがきいていない状況もあるようです。
参考:豊洲市場6年、苦戦続く 取扱量は目標の半分 にぎわい創出へ情報発信 – 日本経済新聞
今後の豊洲のブランド価値はどうなっていくのか?この問題は商標出願からも変化がうかがえるかと思います。
今回は、市場で注目される築地と豊洲という地名を含む商標を調査してみました。町のブランド価値や盛り上がりにも繋がる商標の動向について、気になる方は、ぜひ見続けてみてはいかがでしょうか。
健康関連商品の知財、企画開発や生産立ち上げを経験してきた元エンジニア。皆さまに役立つ情報を発信したいと思いWEBライター活動中。趣味はスポーツ全般、カメラ、映画鑑賞
あなたの技術に強い弁理士をご紹介!