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都市開発の商標は誰が持っているのか?グラングリーン大阪を例にリサーチ

(この記事は、2023年11月27日に作成したものです。)

商標に興味がある方
街づくりに興味がある方

昨今、全国各地で再開発が行われていますよね。こういった都市開発のなかでも注目を集めいているもののひとつに、大阪梅田の「グラングリーン大阪」があります。

グラングリーン大阪とは?

グラングリーン大阪は、「うめきたプロジェクト」としてJR大阪駅前の貨物ヤード跡地を整備して進められている、大規模複合開発のこと。

第1弾として2013年にグランフロント大阪が開業され、第2期開発として、オフィス、ホテル、中核機能、商業施設、都市公園、住宅を有する新しい街としてグラングリーン大阪の開発が進行しています。

街づくりにあたっては、そのブランディングも重要であり、デベロッパーやゼネコンなどの関わる企業も多くあります。今回は、商標の観点でそれらの関係性を見てみたいと思います。

関連商標を検索

グラングリーン大阪でJ-PlatPatで検索すると以下の2件が見つかりました。

グラングリーン大阪

登録番号: 第6568955号
登録日: 令和4(2022)年 6月 9日
出願人:

  1. 三菱地所株式会社
  2. 大阪ガス都市開発株式会社
  3. オリックス不動産株式会社
  4. 関電不動産開発株式会社
  5. 積水ハウス株式会社
  6. 株式会社竹中工務店
  7. 阪急電鉄株式会社
  8. 三菱地所レジデンス株式会社
  9. うめきた開発特定目的会社

 

グラングリーン大阪 ザ・サウルレジデンス ※審査前

出願番号:商願2023-114070
出願日:令和5(2023)年 10月 13日
出願人:

  1. 三菱地所株式会社
  2. 大阪ガス都市開発株式会社
  3. オリックス不動産株式会社
  4. 関電不動産開発株式会社
  5. 積水ハウス株式会社
  6. 株式会社竹中工務店
  7. 阪急電鉄株式会社
  8. 三菱地所レジデンス株式会社
  9. うめきた開発特定目的会社

 

デベロッパー・ゼネコン・ハウスメーカーなどの街づくりに関わる多くの企業による共同出願として出願されています。同じブランドを背負って街づくりを進めていく体制が、この出願からもわかります。

これらの企業は、公開されているプロジェクトのページの事業者JVに名を連ねている企業が、そのまま出願人となっています。

似たような出願人の商標はある?

同様の出願人での出願で他に関連するものがないか確認してみました。すると、以下のような商標がヒットしました。

なぜゼネコンが商標権をもつの?

ここで一つ疑問に思われるかもしれない点が、「なんでゼネコンが商標権を持つことがあるのか?」。

出願人を見てみると、代表的なゼネコンである竹中工務店が名前を連ねています。しかし普通ゼネコンの仕事は建てて終わり、ですから、商標権を持つ必要性はあまり感じられません。

これがなぜか考察してみたいと思います。

実は、竹中工務店は〇〇でもある

通常はデベロッパーが企画を担い、ゼネコンが建設という役割となっており、建物の運営・売却に関わる事業もデベロッパーの役割になります。

なので今回のような商標で、権利者として適格なのはデベロッパーになります。

そこで改めて竹中工務店を調べてみると、実はデベロッパーとしての仕事をしているケースがありました。

デベロッパーとしても竹中工務店が仕事をした例

登録番号:第4970290号
登録日:平成18(2006)年 7月 14日
権利者
 株式会社竹中工務店
 森ビル株式会社

この「赤坂タワーレジデンストップオブザヒル」という施設では、ゼネコンとしてだけでなく、デベロッパーとしても竹中工務店が参加しています。

参考:月刊近代建築 2009年2月号

今回の大阪のケースではまだ詳細が分かっていませんが、同社がデベロッパーとしての役割も担っていることは想像に難くありません。

なので、竹中工務店にとっても商標取得が重要であると考えられます。

まとめ

・街づくりには多くの企業が関わり、そのブランドを高めるために商標を活用しています。
・中には、なんでこの企業が商標を取得しているの?なんてことがありますが、よくよく調べると、事業として必要としていることがよくわかります。

いかがでしたでしょうか。

自分の街や身近な商業施設で、だれが商標を持っているか調べてみるのも面白いと思いますので、ぜひ見てみてはいかがでしょうか。

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