特許以外もすごい?商標出願動向から見る任天堂
(この記事は、2024年12月9日に作成したものです。)
ゲーム業界の巨人、任天堂といえば特許が取り沙汰されがち。そこで今回は、任天堂の商標動向を探ってみました。
任天堂の商標出願動向
任天堂の歴史は1889年、京都で創業されたことから始まります。その後1947年に株式会社丸福(現・任天堂株式会社)が設立。
株式会社設立以前に出願された商標も多くあり、これらは後に任天堂へ譲渡された模様。創業当時は、花札などに関する商標でした。
参考:会社情報:会社の沿革
設立以降も継続的に商標出願がされており、2000年代後半をピーク(Wii関連の商標やポケモン関連の商標が多量にされた時期)にその後は出願数が一度下がります。
区分別出願動向
区分としては、テレビゲームに関連するものなどを中心に出願されている。
しかし、時系列的に見るとゲーム以外の区分に対する出願も強化されつつあります。
任天堂の事業はゲームを中心としているので、主に9類・28類・41類が出願されていましたが、最近では他の区分の出願が追加でなされています。特に興味深いのがゲームコントローラーのアイコンに関する商標登録です。
登録番号:第6040472号
出願日 :2017年7月11日
区分:09,28
出願番号:商願2024-103266
出願日 :2024年9月26日
区分:14,16,18,20,21,24,25
ファミコンのコントローラーデザインだけでなく、過去の様々なデザインに関しても商標出願がなされています。
これらの出願は、2024年10月に開業したニンテンドーミュージアムのグッズ展開に合わせての出願でしょう。
今後、ミュージアムで継続的にグッズ販売をすると思われますが、このような古い商品を冠したグッズを展開するに際しては、商標権以外に保護する方法がないため、積極的な商標出願を行ったものと考えられます。
ちなみにニンテンドーミュージアムで販売しているグッズについては、以下の記事や動画(50:00~)で詳しく紹介されています。
「ニンテンドーミュージアム」グッズコーナー撮りおろし! ファミコンにWiiなど歴代ハードモチーフグッズが大展開 – GAME Watch
この他にもスーパーマリオのキャラクター商標など追加で行われるケースが増えています。
任天堂はゲームタイトルやゲーム機以外に、キャラクター等の多くの保護すべき対象がありました。
それに加え、キャラクターグッズなどのビジネスの広がりによって、必要な商標の区分数も増え、追加の出願が次々に行われているようです。
健康関連商品の知財、企画開発や生産立ち上げを経験してきた元エンジニア。皆さまに役立つ情報を発信したいと思いWEBライター活動中。趣味はスポーツ全般、カメラ、映画鑑賞
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