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生絞りオレンジジュース自販機のIJOOZの商標取得動向は?

(この記事は、2025年1月26日に作成したものです。)

日本で急速に増えているしぼりたてジュースマシン。今回はそれを扱うIJOOZブランドの商標を確認してみました。

IJOOZ(アイジュース)は、スマート自動販売機を通じて新鮮なオレンジジュースを提供する企業として注目されています。

その戦略を知財観点を交えて分析します。

IJOOZとはどんな企業?

IJOOZ(アイジュース)は、2016年にシンガポールで設立されたIoTテクノロジー企業であり、ロボティクス、AI、マシンビジョンなどの革新的なハードウェアとソフトウェア技術を活用して、販売および新鮮な小売業界の変革に取り組んでいます。

主な製品とサービス

  • IJOOZスマートジューサー:ロボティクス、マシンビジョン、AIOT技術を駆使し、いつでもどこでも自動的に新鮮なオレンジジュースを提供する自動販売機です。
  • スマートパントリー:新鮮な食品、飲料、日用品を取り揃えた無人店舗で、AI技術を活用した自動販売機により、24時間いつでも非接触での買い物体験を提供します。

グリーンミッション

IJOOZは毎年大量に発生するオレンジの果肉や皮をリサイクルし、化粧品をはじめとした、新たな製品の原料として活用する取り組みを行っています。

またカップ、シール、ストローなどにリサイクル素材や持続可能な資源を使用することで、環境への配慮を徹底しています。

グローバル展開

IJOOZは、シンガポール国内で成功を収めた後、オーストラリアや日本など、世界32か国以上に事業を拡大しています。

現在は1,500台以上のスマート自動販売機が稼働しており、5,000万杯以上のフレッシュジュースを提供しています。

日本での展開

日本国内では、首都圏を中心に全国へ生搾りオレンジジュースの自動販売機を設置し、好評を博しています。2023年度には1,000台の自販機設置を目指し、積極的に展開を進めるなど意欲的に活動を続けています。

IJOOZは、革新的な技術と環境への配慮を融合させ、世界中の人々に新鮮で健康的な食品を手軽に提供することを目指しています。

商標の取得状況

自動販売機で搾りたてのオレンジジュースを販売するビジネスでは、どのような商標が求められているか、同社の事例で調べてみました。

商標登録第6693306号
出願日:2023年 1月 6日
権利者:アイジューズ エーアイ プライベート リミテッド(シンガポール国)
区分:
7  :自動販売機
32 :オレンジジュース等

国際登録番号第1477374号
出願日:2019年 5月 23日
権利者:アイジューズ エーアイ プライベート リミテッド(シンガポール国)
区分:
7  :自動販売機

区分としては、7類の自動販売機と32類のオレンジジュースなどの飲料に関する商標を取得しています。

自動販売機での販売データ等を活用して効率的な果物の活用などをしているものの、データ事業は行っていない模様で、主業の商材に関する区分のみを取得しているものと考えられます。

またIJOOZは、社名と同じように製品名に「IJOOZ」を冠したネーミングを採用しています。このようなネーミング戦略は、社名とブランドの認知度が連動するため、効率的にマーケティング効果が最大化します。また前述のように「IJOOZ」について商標登録を行い、ブランド保護を強化しています。

※2019年出願のロゴは旧ロゴ

海外での商標取得では、旧ロゴを中心に同区分で出願されています。(多くは自動販売機のみ)

ちなみに、すでに放棄されていますが、タイでの区分は他国に比べて多く取得されていました。

日本での競合との比較

日本では、ME Group Japan株式会社がFeed Meというブランドで生絞りジュースの自動販売機を展開しています。

参考:Feed ME 生搾りジュースマシンサービスについて | ME Group Japan(ミー・グループ・ジャパン)

同社の商標について調査すると、関連する商標が一件登録となっていました。

登録番号:第6743816号
出願番号:商願2023-34553
出願日:2023年3月31日
区分 :7,16,18,21,24,25,29,30,31,32,3537,43

Feed Me商標は幅広い区分で取得していることが伺えます。

現状は、自動販売機での生絞りドリンクの提供のみですが、同様のブランドで幅広く事業を行うことを想定してのものと思われます。この点は、IJOOZと大きく異なるものです。

グローバル展開と知財活動

IJOOZは、シンガポールを拠点に事業を展開していますが、今後のグローバル展開を視野に入れ、各国での商標の取得を進めています。

ただしマシンについて、特許や意匠が登録されていないことから、技術的な差別化よりも商品の質やブランドでの差別化を進め、それを商標で保護しているものと推察します。

町中を注意深く観察すると、海外から新しい事業が度々入ってきていることがあります。
実際に商標を調べてみると、取得の仕方もそれぞれで非常に興味深く感じます。

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