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慶應義塾 vs 早稲田:商標から読み解くブランド戦略の違い~大学の商標シリーズ④~

(この記事は、2025年3月10日に作成したものです。)

常々ライバル関係にみられる両大学の商標活動の動向について調べてみました。

はじめに:慶應義塾と早稲田、ライバル関係の商標戦略とは?

日本の名門私立大学である慶應義塾大学と早稲田大学

この二校はスポーツや学問の分野の面で多くの競争を繰り広げています。

今回は、両校の商標戦略に注目し、それぞれのブランディング視点での違いを分析します。

商標登録数の比較:早稲田が優勢?

JPlat-Patのデータを分析したところ、両大学の商標登録数は以下の通りでした。※権利が有効または継続中なもののみカウント

大学名商標登録数
慶應義塾大学
(出願人:慶應義塾)
34件
早稲田大学
(出願人:学校法人早稲田大学)
51件

早稲田大学の方が多くの商標を登録しており、より積極的な活動が伺えます。

登録商標の特徴:慶應は柔軟、早稲田はユニーク?

慶應義塾大学の代表的な商標

  • KEIO UNIVERSITY(英語表記)
  • 慶應義塾大学病院
  • 幼稚舎
  • CALAMVS GLADIO FORTIOR(ペンは剣よりも強し)(大学のスローガン)
  • シンボルマーク・ロゴ
  • KEIO MED EXPRESS CARD

慶應は大学のブランドを守ることも重視し、スローガンや病院の名称なども商標登録しているのが特徴です。

また、学生向けのクレジットカードやCyber Physical SustainabilityといったPJ名、概念に関する商標も取得しており、柔軟な活動が見受けられます。

早稲田大学の代表的な商標

  • WASEDA UNIVERSITY(英語表記)
  • 早稲田大学
  • 稲門(とうもん)(早稲田の象徴)
  • 様々な関連ロゴ
  • キャラクター

早稲田は、伝統的なブランドを守る一方で、「稲門」など象徴的な言葉も商標として登録し、広く活用している点がユニークです。

また、立体商標で大隈重信の銅像も取得してる点も興味深いです。

出願・登録時期の違い

【慶應義塾】

1980年代〜1990年代の登録が多く、近年は権利更新を中心にブランド維持。

【早稲田】

1980年代から登録を開始し、2000年代以降も新しい商標を出願。

慶應は「既存のブランドを守る」戦略、早稲田は「新たなブランド展開」も視野に入れた戦略を採っているとも考えられます。

指定商品・サービスの範囲

大学名商標登録の対象範囲
慶應義塾大学教育、出版、医療(慶應義塾大学病院)、グッズ(Tシャツ・文房具)
早稲田大学教育、出版、記念品、グッズ展開(Tシャツ、文房具など)

慶應は病院ブランドも保護し、早稲田はグッズ展開を強化することで収益化を意識していることがわかります。

まとめ:両校のブランディング戦略の違いとは?

戦略慶應義塾大学早稲田大学
商標登録数34件51件
登録傾向大学名重視
+新しいものも挑戦
視覚的ブランド重視
※ロゴ出願等
出願時期1980〜90年代中心1980年代から継続的
サービス範囲教育・出版・医療教育・出版・記念品
ブランド戦略既存ブランドの強化柔軟なブランド展開

このように、慶應義塾は伝統と格調を重視し、早稲田は柔軟的で視覚的な展開を強化していることがわかります。

今後も、両校がどのような商標を登録し、ブランド戦略を展開していくのか注目していきましょう。

有名大学でかつライバル校としてよく見られる両大学について、商標視点で見てみました。
それぞれまた特色のある商標活動をしており、興味深いですね。

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