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知っているようで知らない著作権!本当にあった著作権事件ファイル「サザエさんバス事件」-iPTimes.-

(この記事は、2022年8月18日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆著作権について知りたい
☆サザエさんが好き

本記事のここがポイント!!

「お魚くわえたドラ猫 追っかけて〜」
軽快なテンポで始まる国民的なアニメといえば、ご存知『サザエさん』。
時事ネタも交えた磯野家の日常は、世代を超えて視聴者から人気を集めています。
サザエさんのアニメが放送開始されたのは、なんと1969年10月!
すでに50年も経過しているんですね。
そんなサザエさんの著作権を巡る争いが「サザエさんバス事件」です。
「著作権は尊重しなければならない」という常識を確立した、非常に影響力の大きかった事件を紹介します。

まずは事件の流れから

年数出来事
1946年・『サザエさん』原作漫画の連載開始
 原作は新聞連載の4コマ漫画から始まりました。
1951年・立川バスが観光バスの車体にサザエ・カツオ・ワカメを描き「サザエさん観光」として運行を開始
 このとき、作者である長谷川町子氏の使用許諾を取らなかったことが事件の発端になります。
1969年・『サザエさん』アニメ放送開始
1970年・作者 長谷川町子氏が立川バスに対し、サザエさんの絵の使用差止め請求を行う
1971年・作者 長谷川町子氏が民事訴訟を東京地方裁判所に提訴
 3,726万円の損害賠償金の支払いを要求(バスの運行期間1台あたり月3万円という基準で計算)
1975年・東京地方裁判所は、バスに描かれたキャラクターは著作権法上保護されるべきと認め、長谷川町子氏が勝訴
 立川バスに1,824万円の損害賠償を支払うよう命じた

事件の争点になったのは?

この事件の争点はずばり「著作権」です。

立川バスに描かれたサザエさんが著作権の侵害にあたるかどうか?

両者はこの著作権の侵害について主張を繰り広げました。

作者の主張

「立川バスに描かれたイラストはサザエ、カツオ、ワカメの頭部を再現しており、これは著作権の複製権の侵害にあたる。」

作者側は、サザエさんのキャラクターを無断で複製することは著作権の侵害だ!と主張をしました。

立川バスの主張

「4コマ漫画の一部を複製しているわけではない。複製権の侵害というなら、漫画のどの部分についてかを具体的に主張すべきである。」

立川バス側は、漫画のひとコマを複製しているわけではないから、著作権は侵害はしていない!と反論をしています。

判決

これを受けて、東京地方裁判所が出した判決は、

「バスに描かれたサザエさんのキャラクターは著作権法上保護されなければいけない。立川バスは作者に1,824万4,099円の損害賠償金を支払うこと。

と命じ、立川バスはこれに応じました。

長谷川町子氏の提示した3,726万円の損害賠償金は根拠に乏しかったため、「商品販売価格の3%がキャラクター使用料に当たる」という基準から1,824万円という賠償金を算出し直しています。減額したとはいえ、当時は巨額の賠償金というインパクトを与えました。

またキャラクター自体の著作権には言及されていませんが、「登場する人物の容ぼう、姿態、性格などを表現するもの」として著作権が認められた事例になりました。

まとめ

漫画やアニメのキャラクターを無断で用いて商業利用するなんて、今ではとても考えられませんよね。

ですが、事件当時はまだ著作権という考え方が浸透しておらず、世間の反応は「なぜ今さら権利を主張するの?」というものでした。

それだけに、立川バスへ課せられた巨額の損害賠償は大きなインパクトになり、日本の企業に著作権の意識を芽生えさせる事件になりました。

この事件以降、街から模倣品の商品が激減したそうです。サザエさんが著作権の認知度に貢献していたなんて、なんだか不思議ですね。

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