特許行政年次報告書2022年版が公開!統計から見える知財活動のトレンド! -iP Times.-
(この記事は、2022年8月13日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆国内外の知的財産の統計情報が知りたい方
☆各国特許庁の取組を知りたい方
☆企業や大学の知財活動の状況を知りたい方
本記事のここがポイント!!
7月27日に特許庁から「特許行政年次報告書2022年版」が公開されました!特許庁の審査に関する統計情報や各種の取組から見える知財活動の動向を紹介します!
各国の特許出願の傾向
まず日本の特許出願件数の推移を見てみましょう。ついに、30万件を切ってしまいました!一方でPCT出願は少し減ったものの全体としては増加傾向ですので、企業はグローバルに権利化していることが分かります。
企業は国内出願を厳選して、その分の費用を外国出願に使っているのかもしれませんね!
世界の特許出願動向はどうでしょうか?予想どおりかもしれませんが、中国が右肩上がりに増加しています!
さらに特許庁は2020年に各国の出願状況を図にしてくれています!日本は米国・中国がやはり多いですね。外国から日本に入ってくる出願は米国・欧州が多いことも分かります。
特許以外にも意匠、商標の統計も載っています。商標は特に伸びがすごいですね!
参考URL
・特許行政年次報告書2022年版(特許庁)
中小企業向けの特許庁の取組
特許庁はただ審査をしているだけではありません。特許庁の取組のうち中小企業向けのものを紹介します!
中小企業向けに権利化費用の補助や戦略策定の支援など、権利活用が活発になるような取組がされています。
外国出願の費用補助
特許庁は中小企業に対する外国出願支援として、外国出願費用や外国中間手続き費用を補助しています。
外国出願費用は1か国で100万円などと高額です。しかし、特許庁の支援を受けることで出願費用、審査請求費用、補正費用、翻訳費用などの半分を補助してもらえるのです!
その他の支援
他にも中小企業・スタートアップ向けの取組があり、早期審査や知財情報の分析など多岐にわたります。制度全体の概要は以下のとおりです。
参考URL
・外国出願に要する費用の半額を補助します
・中小企業・スタートアップの知財活用促進に向けたアクションプランを策定しました(経済産業省)
企業の知財活動
特許庁はユーザーアンケートも行っており、企業の知財状況についても特許行政年次報告書に記載があります。
例えば、以下のグラフを見ると、企業のR&D(研究開発費)は横ばいですが、特許出願費用が減らされていることが分かります。
さらに、出願件数のグループごとのデータを見ると、上位300社の部分が減っていますが、それ以外のグループでは横ばい・増加しています!
大企業は量から質へ展開し、中小企業は補助金などを活用して出願維持・増加していると予想できますね。
特許行政年次報告書にはその他にも多くの統計情報が記載されていますので、知財活動の方針決定の際にぜひご参照ください!
特許川柳・今日の一句
特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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