特許庁による特許出願技術動向調査!令和5年度のテーマは?-iPTimes.-
(この記事は、2022年12月30日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆令和5年度の調査テーマが気になる方
☆特許庁の調査内容を知りたい方
☆特許調査の報告書の書き方を参考にしたい方
本記事のここがポイント!!
ご存じでしょうか?毎年、特許庁は技術動向調査を実施し、その調査結果を公開しています。令和5年度の調査テーマが12月28日に公開されましたので、どんな目的で、どんな調査をしているのか見ていきましょう!
特許出願技術動向調査とは?
特許庁では、「新市場の創出が期待される分野」や「国の政策として推進すべき技術分野」など技術テーマを選定して動向調査を行っています。そして調査結果を公開することで、企業の研究開発戦略における有益情報の提供を行っています。
令和5年度の調査テーマは以下のようになっています。予算状況や調査の詳細を検討する過程で、テーマ数の見直しやテーマの変更を行う可能性はあるようです。
- パッシブZEH・ZEB
- ドローン
- 全固体電池
- ヘルスケアインフォマティクス
- 量子計算機関連技術
令和4年度は以下のテーマを調査を実施しています。これらの調査結果は令和5年4月~5月頃に公表される予定です。
- LiDAR
- スマート物流
- ヒト幹細胞関連技術
- ミリ波帯のMIMO及びアンテナ技術(5Gへの応用を含む分析)
- カーボンニュートラルに向けた水素・アンモニア技術(製造から利用まで)
その他にも以下のような調査も行っており、日本だけでなく世界の特許出願動向もチェックできます。
- ニーズ即応型技術動向調査
- グリーン・トランスフォーメーション(GX)に関する技術の調査
- 特許出願動向調査-マクロ調査-
参考URL
・特許出願技術動向調査(特許庁)
・出願動向調査パンフレット
・特許出願技術動向調査についての説明スライド
調査事例:Maas(Mobility as a Service)
調査事例として、令和2年度に特許庁が調査したMaaS(特に、自動運転技術)に関する調査結果を見てみましょう!
まず、調査範囲として出願国が日本、米国、欧州、ドイツ、中国、韓国と幅広い!
これを自分で調べるのは多くの時間を必要とするでしょうし、外注するのも費用が莫大なものになりますね!
次に、この技術俯瞰図も分かりやすく必要な技術要素がまとめられています。
知財部員が発明者と話をする前に、技術理解をする資料としても使えますね!
そして、特許出願動向については、下に示すような出願人国籍以外にも出願収支(どこの出願人がどの国に出願しているか)、技術分野別の出願動向、出願人ランキングも記載されており、MaaSに力を入れている国や企業などが分かります。
最後に提言として、日本のMaaSに取り組むうえでの技術課題や経営課題も記載されています。
特許庁の提案力の高さを感じます!分析方法や報告書の書き方も非常に参考になります!
参考URL
・Maas(Mobility as a Service)~自動運転関連技術からの分析~
まとめ
特許庁の特許出願技術動向調査、とても有益な情報でしたね。特許庁は他にも有益な情報を発信しています。各企業と対話したり、アンケートで統計を取ったりと積極的に情報収集もしていて素晴らしいですね。
ぜひ、特許庁のホームページにアクセスしてみて、特許出願技術動向調査の詳細を読んでみてください!
特許関係の仕事に従事して10年。5年間は特許事務所で500件以上の出願原稿の作成に従事。その後、自動車関連企業の知財部に転職し、500件以上の発明発掘から権利化に携わってきました。現在は、知財部の管理職として知的財産活用の全社方針策定などを行っています。
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