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あの「お風呂が沸きました」の音が商標登録された話-iPTimes.-

(この記事は、2022年10月5日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆最近ちょっとお疲れ気味な方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ

本記事のここがポイント!!

お風呂の湯張りが完了すると給湯器から流れるメロディと音声、馴染み深いのはどんなメロディですか。
私はドラマを見ていたときに我が家の給湯器と同じ音が流れてきて、なんとなく親近感を抱いた記憶もあります。
実はある給湯器で使われているメロディと音声が、商標登録されていたんです。今回はこの商標出願と、近年出願が増えてきた音商標について詳しく見ていきましょう。

給湯器から流れる音、どんな音?

各社の給湯器から流れる音楽をまとめた動画がありました。今回はこの動画のうち、最初に流れる「ノーリツ」さんのメロディのお話です。

引用:YouTube「お風呂のメロディ集【新版】」より

いかがですか、聞いたことのあるメロディだったでしょうか。各社、さまざまなメロディを採用しているんですね!

最初に流れたメロディは「人形の夢と目覚め」というクラシック音楽の一部です。またメロディの後に流れる「お風呂が沸きました」の音声は、一龍斎 貞弥(いちりゅうさい ていや)さんという有名な方の声です。

誰が出願したの?区分は?

ではこのノーリツさんのメロディと声についての商標、実際に出願された内容を見て見ましょう。

商標登録第6369662号公報より

メロディの五線譜と説明が掲載されていました。主旋律だけでなくて伴奏もあったんですね。毎日聞いているはずなのに私は気づきませんでした。

今回、こちらの音商標を出願したのは(もちろん)「株式会社ノーリツ」です。2017年7月27日に出願され、2021年3月29日に登録されました。

こちらの商標の商品カテゴリ(出願区分)は第
11類
(家庭用ガス風呂給湯器用リモートコントローラー,家庭用ガス給湯器付風呂釜用リモートコントローラー,家庭用石油風呂給湯機用リモートコントローラー,家庭用石油給湯機付風呂釜用リモートコントローラー)です。

出願区分は、この商標を出願した会社がどんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。

音商標とは

この商標のように、音楽的要素からなる商標も2014年から登録できるようになりました。※音楽的要素とは、メロディー、ハーモニー、リズム又はテンポ、音色等。

このとき、音商標の他にも色彩のみからなる商標や、ホログラム商標なども登録できるようになっています。

これまでに登録された有名な音商標の例は特許庁のキッズページにも詳しく掲載されていましたよ。その他にもテレビCMで聞いたことのある曲などもたくさん登録されています。

商標について、商品名や商品マークなどのことを指すのかな?と思っていた方も多いかもしれません。しかしそもそも商標権とは「商品やサービスの目印を保護する権利」であって、それが音によるものであってもOKということです。

ノーリツさんの「お風呂が沸きました」の音商標は、出願当初は単にお湯がわいたことを知らせているだけだと登録を拒否されていました。しかしその後、日本全国で長年使用されてきたことで、この音を聞いただけでお客様にノーリツの商品であると認識されるようになったと認められて商標登録されたのです。

まとめ

こちらの音商標、J-platpatの公開公報を見てみると実際に登録されている音も再生して聞くことができます。もっと詳しく見てみたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

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