「どこでもドア」が商標出願された話-iPTimes.-
(この記事は、2022年10月8日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆ドラえもんが好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ
本記事のここがポイント!!
勤務先から疲れて帰るときや遊びに行った帰り道で早く自宅に戻りたいときなどに「どこでもドアがあればいいのにな」と誰でも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
実はこの「どこでもドア」という語は商標登録されていたのです。
今回は「どこでもドア」の商標出願について詳しく見ていきましょう。
「どこでもドア」とは?
「どこでもドア」というのは、藤子・F・不二雄さんの漫画『ドラえもん』に登場するひみつ道具で、ピンク色のドアの形をしています。行きたい場所を言うか念じるだけで、ドアの向こうにその場所が現れ、連れて行ってくれる夢のようなドアです。
川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムのある小田急線の登戸駅に、どこでもドアのエレベーターができたと聞き、写真を撮りに行ったことがあります。下はその時の写真です。
本当は他の階に行くだけなのに、中に入ったらどこか知らない世界に連れて行ってもらえそうだなと思った記憶があります。
1986年に発売された『ドラえもん道具カタログ』(中央公論新社)によると、「どこでもドア」の価格は64万円と記載されているそう。これに対し、64万円で本当にどこにでも行けちゃうのなら払う!という声が多かったそうです。
誰が出願したの?区分は?
J-platpatの商標検索から「称呼(単純文字列検索)」という検索窓に「ドコデモドア」と入力し検索をかけると、関連する商標が14件ヒットしました。その一部を掲載します。いろいろな企業が登録していますね。
中でも有名なのが三菱重工交通機器エンジニアリング株式会社による駅のホームドア「どこでもドア」です。到着した電車のドアの位置に応じて開閉する箇所を変えられる新時代のホームドアのネーミングとして使われています。
京急久里浜線の「三浦海岸駅」のホームドアとして実験的に設置されたことで有名になりました。(三菱重工さんによるプレスリリースはこちら)
またつい最近では、「東武トップツアーズ株式会社」が「どこでもドア」の語を商標出願したことが明らかになりました。
Twitter上ではこの投稿に対して500を超えるリツイートをされており、ちょっとしたバズりをみせています。「何故通るとおもったのか?」というキツイ言葉もありました。しかし実際のドラえもんのどこでもドアとは全く異なる商品やサービスならokかも?という声も。
このツイートの区分(商品カテゴリのこと)の欄を見てみると、広告業や企画旅行などとあります。東武トップツアーズさんは、確かにあのドラえもんのひみつ道具の「どこでもドア」とは異なるサービスを提供しようとしている感じがしますね。
(出願)区分は、この商標を出願した会社がどんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。
東武トップツアーズさんのニュースリリースを見てもこの出願に関するコメントや具体的にどんなサービスを提供しようとしているのかの説明は見当たりませんでした。
まとめ
東武トップツアーズさんの「どこでもドア」の今後の動向が気になりますね。この商標は2022.9.13に出願されましたが、現在はまだJ-platpat上に出てきていませんでした。商標出願は原則として出願日から2、3週間ほど経過すると、内容が一般公開されます。
この新しい「どこでもドア」出願が登録になったか気になる方や、もっと他の出願を詳しく見てみたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。
特許事務所で6年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。
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