相田みつをさんの詩「にんげんだもの」が商標登録されていた話-iPTimes.-
(この記事は、2022年10月11日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆相田みつをさんの詩が好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ
本記事のここがポイント!!
相田みつをさんは心に残る言葉たくさん残されました。中でも「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」という言葉は、もっとも有名な言葉の一つかと思います。
実はこの「にんげんだもの」、商標登録されていたのです。今回はこの商標出願について詳しく見ていきましょう。
相田みつをさんとは?
私の母は、親を亡くしつらい時期に相田みつをさんの詩に触れてとても元気づけられたそうです。そして今も、日めくりカレンダーに掲載されている彼のさまざまな詩を、カレンダーをめくりつつ見るのが日課となっています。
さて、相田みつをさんは説明するまでもないほど有名ですが、詩人、書家として活躍されました。彼が筆で書いた力強く味のある文字は、一度見たら忘れられないでしょう。そして彼の遺した言葉はどれも、自然と心の中に染み込んでくる感じがしますよね。
有楽町の東京国際フォーラム内には「相田みつを美術館」がありますし、テレビでも何度となく特集されています。1991年にお亡くなりになっていますが、現在も彼の作品は多くの人の心に残っています。
誰が出願したの?区分は?
「にんげんだもの」、そして「つまずいたっていいじゃないかにんげんだもの」の両方ともが商標登録されています。
出願したのは、いずれも「相田みつを美術館株式会社」です。
登録商標「にんげんだもの」の商品カテゴリ(出願区分)は第16類の印刷物(但し書籍を除く)。
出願区分は、この商標を出願した会社がどんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。
また「つまづいたっていいじゃないか~」のほうの出願区分は第9類で、 耳栓,自動販売機,消火器,電池,ロケット,消防車,防じんマスク,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,レコード,電子出版物など多岐にわたっていました。
「にんげんだもの」の方は出願後に一度、商標登録できませんという拒絶査定が出されていて、それに対する審判請求により登録になったようです。出願から登録までに4年以上かかっています。
また「つまづいたって〜」の方はこのままだと拒絶査定にしますよ、という拒絶理由通知を受けたものの、査定が出される前にその拒絶理由が解消されて登録となりました。出願から登録までは1年少々かかっているようです。
それぞれに出された拒絶理由はJ-platpat上に掲載されていませんでしたが、登録されるまでにかかった期間の違いは出願区分の違いもひとつの原因としてあるのかなと推測されます。
まとめ
J-platpatから商標検索をかけると、相田みつを美術館さんによる商標出願は他にもたくさんありました。例えば「相田みつを」という名前自体や、「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」なども登録されていましたよ。
もっと他の出願を詳しく見てみたい方はJ-platpatをチェックしてみると良いかもしれません。
特許事務所で6年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。
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