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大学間紛争勃発!二つの大学名は似ている?-iP Times.-

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(この記事は、2022年3月8日に商標専門弁理士が作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆名称の混同の争いを確認したい方へ
☆不正競争防止法で争われた事例を知りたい方へ
☆商標と不正競争のざっくりとした違いを知りたい方へ

本記事のここがポイント!!

名称が混同するから使用しないで!との争いはなにも会社同士、個人間には限られない。大学間での争いも見てみましょう!

「京都市立芸術大学」と「京都芸術大学」は混同する?

突然ですが、みなさん!商標や不正競争における名称混同の事件は会社同士または個人同士のみで生じると思っていませんか?

いやいや、そんなことはありません。

一見、争いなどが起きそうもない大学間でも、名称に関する争いなどは起こりうるのです!

本件は、元々「京都造形大学」だった大学名を「京都芸術大学」に名称を変更したことに端を発した「京都市立芸術大学」と「京都芸術大学」間の不正競争防止法上の名称混同の争いです。

結論的には「似ていない」と判断され、最終的には和解して、この争いの幕はおりました。

以下、参考記事

「京都芸術大学」名称訴訟が和解 一審は市立芸術大側が敗訴

(引用:https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/602179|京都新聞)

この「京都市立芸術大学」と「京都芸術大学」については、みなさんはどうお考えになりますか?似ていると思われますかね?

私個人は「似ている!」と率直に感じましたね。

不正競争防止法の立証の難しさ

この争いのキーポイントは、争いのフィールドが不正競争防止法であること(商標法の争いではないこと)とサービスが「大学」であることです。

キーポイント① 不正競争防止法であること

商標登録は事前登録が必要である一方で、不正競争防止法は事前登録が不要です。

但し、不正競争防止法を利用する場合、それだけ立証のハードルは高くなります。自分の名称がよく知られている又は有名であるなどの立証が必要であり、その点、今回の件は「京都市立芸術大学」の名称の周知性は認められませんでした。

キーポイント② サービス「大学」であること

大学は言うまでもなく、教育サービスを提供しています。

大学名はもちろん様々あるものの、基本的に地名や特化する専門的な分野を名称に含める場合が多いです。

例えば、薬科、芸術、情報等、地名では東京、京都、大阪などです。

つまり、ある程度似通ってしまうのは致し方ないという形で認定がされています。

こういった事情を加味すると、多少は似ているが見分け可能と裁判所は判断したのです

まとめ

商標法と不正競争防止法の性質を正確に理解して、知財戦略にぜひ役立てよう!

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