特許を取得したトレーニング器具で体幹トレーニングを
【本記事の内容】
2022年3月25日、玩具の企画・開発製造などを行うジリリタ株式会社から体幹トレーニング器具「SLACK RAIL(スラックレール)」がリニューアル発売された。スラックレールとは、床に置いて乗り、バランスを取ることにより、「体幹」「バランス」「集中力」を養う事が出来るトレーニング器具だ。見た目以上に乗る事自体が難しいので、バランスを取って乗るだけでその効果が得られるという。不安定で細いレールの上に乗ることにより「軸」をキープするための「体幹」・「バランス」が効果的に鍛えられ、「軸」を意識する「集中力」が必然的に身に付く仕組みだ。
今回のリニューアルのポイントはレールを繋ぐジョイント部分。バンドを用いることでより繋ぎ易くなり、使い方が無限になった点だ。
そして、このスラックレールは特許を取得している(特許第6448161号)。価格は1本 2,970円(税込)で、カラーはイエロー、ブラック、レッド、ブルー、グリーン、ピンクから選ぶことができる。
【弁理士による解説】
ジリリタ株式会社は2017年12月13日に設立された玩具・スポーツ用品および雑貨の企画デザイン製造販売メーカー。「スラックレール」以外にも、足指間に挟むだけで足本来の力を引き出し、地面をつかむような足指の感覚が蘇る転倒予防用具「Ubisla(ユビスラ)」(特許申請中)と、場所を選ばず組み立てるだけで集中できる空間を作り出すパーテーション一体型デスク「SOIRO(ソイロ)」(実用新案登録第3228261号)について特許出願と実用新案権を取得していることから分かる通り極めて知財意識の高い企業だ。
「スラックレール」の特許権(特許第6448161号)を確認すると、レール本体どうしを相互に接続する接続手段(ジョイント部分)と床面設置状態で水平方向に自由に曲げたり、足で乗って前に進むことができるバランストレーニング器具が権利の主な構成要件になっている。ジョイント部分の構造として穴と突起部を採用することが開示されており、今回のリニューアル内容を確実に権利で抑えていることも確認できた。
ジリリタ株式会社のように知財を自社製品・サービスに活用できている中小企業は少ないのが現状だ。同社の企業ホームページには特許や商標の登録証も開示されており、事業戦略上、知的財産を重視していることが分かる。
「スラックレール」は自宅で気軽に取り組めるトレーニング器具という点も今の時流に合っている。在宅勤務が続くことによる運動不足解消や集中力の強化に役立ててみては如何だろうか。
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企業勤務弁理士。知財キャリア約20年。研究所勤務経験と発明者として特許出願・権利化の実績あり。
発明発掘から国内外権利化手続き、知財戦略立案など知財に関して幅広く活動してきました。
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