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改正意匠法に対応した新たな保護対象の意匠とその出願動向

iptimesnews

【本記事の内容】

2022年3月11日、特許庁は「改正意匠法に基づく新たな保護対象等についての意匠登録出願動向」を発表した。2000年4月1日に施行された意匠法(以下、改正意匠法という。)において新たに「画像」「建築物」「内装」の意匠が保護対象となった事を受け、これらの意匠について出願・登録状況をまとめた内容になっている。

3月1日時点での意匠件数の内訳(出願/登録)は、「画像」(2304/838)、「建築物」(667/319)、「内装」(461/169)であり、「画像」の意匠が最も件数が多い状況だ。なお、「画像」には画像の他、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)やアイコンの意匠が含まれる。

【弁理士による解説】

2000年4月1日に施行された改正意匠法は、保護対象となる意匠や関連意匠制度の拡充、意匠権の存続期間が延長されるなど、大幅な改正が行われた。

近年のIoT 技術やクラウドサービスの普及に伴いGUIの役割が重要視されたことを受け、新たに「画像」の意匠が保護対象となった。また、さらに、店舗デザインや空間デザインにブランド価値を創出して競争力を高める事例を受け「建築物」「内装」も保護対象となった。

これらの新たに保護対象となった意匠のうち最近登録された注目意匠として、NTTドコモや楽天モバイルから出願された携帯電話販売店舗の内装についての意匠がある。

特に楽天モバイルの意匠は白と銀色をメインカラー、マゼンダピンクをアクセントカラーに採用し、壁面に大型ディスプレイを設置することで統一的な店舗内装がデザインされている。楽天モバイルショップを訪れたことがある人には、見覚えのあるデザインが表現されていることを感じ取れるはずだ。

デザインは消費者を強く惹きつける強力なツールではあるが、デザインを事業に効果的に活用出来ている国内企業は少ないのが現状だ。デザインを事業戦略に組み込む事で商品・サービスの競争力が高まり、高収益なビジネスを展開もできる。また、デザイン投資は技術開発投資と異なり莫大なR&D費用が不要になるといった点で企業にとってはコスト的にも大きなメリットがある。アップル社やダイソン社のようにブランドイメージとデザインを結び付けることで競争力を高め、世界市場で戦えるデザイン経営企業が日本からも現れる事を期待したい。

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