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Googleによく似たロゴが商標出願されていた話-iPTimes.-

(この記事は、2023年2月14日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆ネットで動画視聴をするのが好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ

本記事のここがポイント!!

先日商標出願されたマークですが、ネット検索のときによく見るあの有名なロゴに少し似ている気がするんです。
今回はその商標出願について詳しく見ていきましょう。

どんな出願?

今回出願されたのはこちらの商標です。

商標速報botより

こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。

何と書いてあるのでしょうか。「ギューギュル」?
Googleの検索トップページに出てくるロゴに、色やフォントが似ていませんか?

この商標の出願人は株式会社ノーブルプロモーション」です。こちらはタレントプロモーション会社で、元雨上がり決死隊の宮迫博之さんのプロモーションも行っていることでも有名です。

今回出願された商標の商品カテゴリ(出願区分)は、第18類(かばん類ほか), 25類(被服ほか)でした。

出願区分はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。

ちなみに本家、グーグルのロゴは2016年に既に商標登録されていました。

登録商標第5893980号公報より

配置は違えど、やはり色や形がそっくりです!

関連出願から今回の出願意図を探ってみよう

株式会社ノーブルプロモーションがこれまでに出願した商標を調べてみました。すると今回の出願の関連商標と思われるものが見つかりましたよ。

商願第2022-074574号公報より

先程紹介したものよりも、よりGoogle感が出ていますね。

こちらの公報にはその称呼について「ギュウグルシブヤ,ギューグルシブヤ,ギューグル」と記載されていました。また出願区分は先程紹介した商標と同じものが選択されていました。

そしてこちらの商標は2022年10月31日付で拒絶理由通知を受けています。内容はざっくりいうと『これは超有名な「Google」を認識させるものなので、登録できない。』というものでした。

これに対する意見書を出願人は同年12月9日に提出しています。その内容の一部を大まかにまとめると、以下の通りです。

商願第2022-074574号の拒絶理由通知書に対する意見書より

『出願人は「牛宮城」という名の焼肉店を営んでいます。今回出願した商標は、「Gyuu」部分から「牛」を、「SHIBUYA」から地名の「渋谷」を想起させ、全体としては「渋谷にある牛肉料理店」などの観念を生じさせるものです。よって、Googleさんの商標とは観念が異なります。

出願人としては、コロナ禍で疲弊している飲食店を全体的に盛り上げようとするものであり、Google社の知名度にあやかって不当な利益を得たり、米国やその国民を侮辱するものでもありません 。』

この意見書には、参考情報として「牛宮城」のスタッフさん達がお店でこの商標が描かれたTシャツを着ていることを示す写真が添付されています。

牛宮城といえば、宮迫さんが経営し、YouTuberのヒカルさんが宣伝を担当しているということで有名ですよね。

この意見書に対する特許庁の判断はまだ掲載されていませんでした。もしこの意見書をもっても拒絶理由が解消されなかった場合には、拒絶査定が出されます。これに対し出願人は査定への不服審判を請求することができます。さらに審判でも「登録できません」と言われたら(審決)、この審決を取消すよう提起する訴訟(審決取消訴訟)を知財高裁(知的財産高等裁判所)に対してすることができます。さらにこの結果にも不服の場合、最高裁判所で争うこともできます。

最初に紹介した新たな商標は、この意見書提出から数日後に出願されています。
もしこの意見書やその後の対応もかなわず正式に登録不可となった場合の代替案として出されたのかもしれませんね。

まとめ

今回紹介した2つの商標の今後の動向には注目ポイントが多くあります。今後、これらの出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

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