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「UNO」の新しい商標出願を見てみよう-iPTimes.-

(この記事は、2023年3月10日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆ボードゲームやカードゲームの好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ

本記事のここがポイント!!

突然ですがカードゲームの「UNO」で遊んだことってありますか?
先日、「UNO」の画像が商標出願されました。
今回はこの商標についてみていきましょう。

どんな出願?

UNOは有名なカードゲームですが簡単におさらいをしていきましょう。

mattel商品ラインナップより

UNOのカードには、数字と色のついたものと、他の参加者を妨害する指示の書かれたカードがあります。

まずそれらを参加者に配ります。参加者は配られたカードを順番に出していき、手持ちをはやく0枚にした人が勝ちです。しかし、持っているカードが残り1枚になったときに「UNO(ウノ)!」と言わなければ反則、これまで捨てられたカードを全て貰わなければならないというものです。

そんなUNOについて、今回出願されたのはこちらです。

商標速報botより(商願2022-147465号)

こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。このつぶやきに対しては200件以上もの「いいね」がつけられていました

この商標の出願人は「Mattel,Inc.」です。「マテル・インコーポレーテッド」と読むそうで、UNOやバービー人形などを作っているアメリカの会社です。この会社の日本法人のサイトはこちらです。

今回出願された商標の商品カテゴリ(出願区分)は、第3類のせっけん類など、第5類の接着性包帯,ビタミン剤など、第8類のスプーンやフォークなど、第9類のコンピュータゲームソフトウェアなど、第11類のランプ,加湿器など、第12類の自転車など、第14類の時計など、第16類の文房具など、第18類のハンドバッグなど、第20類の家具など、第21類のブラシ,歯ブラシなど、第24類の寝具類など、第26類の髪用アクセサリーなど、第28類のおもちゃなど、第29類の牛乳など、第30類の菓子,茶など、第32類の清涼飲料など、第41類の娯楽の提供,音楽の演奏などです。

出願区分はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。

また、この出願と同日にはこちらも出願されていましたよ。

商標速報botより(商願2022-147476号)

こちらは出願区分として第14類のみが選択されていました。

UNOは私が子供の頃から有名なカードゲームですが(発案は1971年だそうです)、最近になってこれら商標が出願されたのはなぜなのか、不思議に思いませんか?出願区分を見る限りでは、これらはカードゲームとしての出願というよりは、グッズ販売のためなのかなと推測されます。

他のUNO出願もみてみよう

他にUNO関連の商標出願がないか調べてみました。まずは10年以上前の出願をふたつ見つけました。

登録商標第5399468号公報より(2011年3月18日登録)

登録商標第5399469号公報より(2011年3月18日登録)

これらの商標権は現在も継続中です。

そして昨年(2022年)初頭の出願もありました。

商願2022-883号公報より(2022年1月6日出願)

こちらの出願区分は第25類(被服など)と第28類(カードゲームなど)です。しかしこちらの出願は「Men’s uno(登録商標第5703693号)」や「uno(登録商標第6032835号)」などといった登録商標と出願区分(第25類)が同じであったことから、拒絶理由通知書が出されています。これらの登録商標はメンズ化粧品でも有名ですよね。

出願人は、この拒絶理由に反論する意見書を2022年10月に提出しています。その内容については、特許庁のJ-platpatで商願2022-883号を検索し「経過情報」というボタンをクリックすると閲覧することができます。

この意見書の中で私がひとつ気になったのが、以下の文です。「出願人は、引用商標2の商標権者と交渉の結果、本願商標の登録へ向けた協力の意向を得ており、引用商標1及び3に関する審査官のご判断をいただき次第、商願2017-116907と同様、本願を引用商標権者に一時的に譲渡する予定です。」つまり、「この商標を登録させるために他の企業に権利を一度譲り、登録になったらまた返却してもらう約束をしている」ということです。

この商願2017-116907は「UNO」という語です。この商標は「マテル・インコーポレイテッド」から出願されたのですが、拒絶理由通知を受け取った後に一時的に「台達電子工業股份有限公司(デルタ電子)」に譲渡されており、登録後また「マテル・インコーポレーテッド」にその権利が戻されています。

この「UNO」という語は「マテル」さんよりも先に同じ出願区分で「デルタ電子」さんが出願し、登録となっています。「マテル」さんは拒絶理由通知を受け取った後に、このままだとデルタ電子さんの先願を回避して登録するのが難しいと考え、このような対応をとったのかな、と推測されます。

拒絶理由を解消させるために先願権者と協力して、一時的に出願人を変更するという方法もあるんですね!

まとめ

今回紹介した商標の今後の動向には注目ポイントが多くあります。今後、これら出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

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