「ほっこり島のパン屋さん」という新しい商標出願の話-iPTimes.-
(この記事は、2023年3月16日に作成したものです。)
こんな方に向けた記事です。
☆美味しいものが好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ
本記事のここがポイント!!
先日出願された商標「ほっこり島のパン屋さん」ですが、なんとなく、どこかで見たことがあるような気がするんです。
今回はこの商標出願について詳しく見ていきましょう。
どんな出願?
今回出願されたのはこちらです。
こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。この投稿に対して「ひょっこりひょうたん島?」や「げんこつ山のたぬきさん?」といったコメントが挙げられていました。
ところでこの「ひょっこりひょうたん島」ってご存知でしょうか。もともとは1964年から1969年にNHK総合テレビで放送されていた人形劇なのですが、1990年代にリメイク版も放送されていました。
火山の噴火により漂流することとなった島が舞台で、登場する個性豊かなキャラクター達や彼らのセリフや歌から、当時の人気番組となりました。
私も今回の出願を初めて見た時、島の形が「ひょっこりひょうたん島」に似ているなと思いました!
今回出願された商標の出願人は「山崎製パン株式会社」です。
そしてこの商標の商品カテゴリ(出願区分)は、第30類(菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ)などでした。
出願区分はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。
しかし「ほっこり島」「パン屋」「Island bread」などとネット検索しても、それらしき情報は出て来ませんでした。いったいどういう商品のための商標出願なのか、今後の山崎製パンさんから何かしら発表があるかもしれませんね。
出願人の他の商標もみてみよう!
ところで、山崎製パンさんは歴史の長い企業ですし有名な商品もたくさんあります。これまでにどんな商標を出願してきたのか、ちょっと気になりませんか?
山崎製パンさんは昭和23年(1948年)に設立されました。特許庁の検索サイトJ-platpatから「山崎製パン株式会社」と入力してみるとかなり昔のものも出て来ましたよ。
こちらはその中で1番昔に出願されていたものです。1954年09月07日に出願され、翌年に登録となっています。出願区分は第30類のパンでした。公報を見てみるとなんとびっくり!
時代を感じる公報ですね。そして他の出願人による商標も一緒に出てきたので最初は何かの間違いかな?と思いましたが昔はこういう公報のスタイルだったのですね。驚きました!
他にもこんな語や、音商標も出願されていましたよ。
よくテレビCMでみかけるキャンペーンですね。購入したパンに付いている点数シールを集めてお皿などがもらえる、あれです。余談ですが、今年(2023年)も4/30まで(北海道地区では5/31まで)開催中で白いお皿がもらえるようです。詳しくはこちら。
このような音商標は平成27(2015年)年4月1日から出願できるようになったのですが、こちらの「ヤマザキはるのパンまつり」はその年の7月2日に出願されています。出願可能になってからすぐに出願されていることからも、この音商標が山崎製パンさんにとって重要な商標であることか伺えます。
こんな商標もありました。
「春のパン祭り」は聞いたことありましたが、まさか夏は「パンフェスティバル」だったとは、驚きです。
さらに秋は「菓子まつり」なんですね!食欲の秋だからでしょうか。
もうここまでしたら「冬」も何かお祭りがあるんじゃないか?と期待してしまいますね。
冬ではなく「新春」でした!「新春」は「パンはじめ」なんですね。
季節ごとにイベントがあるようで面白いですね。
まとめ
今回出願された「ほっこり島のパン屋さん」商標は出願されたばかりで、その登録の可否についての審査はまだ始まっていないようです。
今後、この出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。
特許事務所で6年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。
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