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「ピアノ餃子」という語が商標出願された話-iPTimes.-

(この記事は、2023年4月11日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆美味しいものが好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ

本記事のここがポイント!!

先日、商標「ピアノ餃子」が出願されました。この餃子、どんな物なのかイメージつきますか?
ピアノの音色がするパッケージなのでしょうか。
今回はこの商標出願について詳しく見ていきましょう。

どんな出願?

今回出願されたのはこちらです。

商標出願第2023-2249号公報より

こちらの商標は2023年1月12日に出願されました。

今回出願された商標の出願人は「株式会社間渕商店」です。こちらの会社は静岡県浜松市にあり、浜松を盛り上げる「街おこし会社」です。

今回出願された商標の商品カテゴリ(出願区分)は、第30類の餃子でした。出願区分はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。

「ピアノ餃子」とは何だろう?

出願人の所在地、浜松といえば、宇都宮と毎年餃子の消費量日本一を争っている、餃子の有名どころというイメージを持っていました。

昨年(2022年)の総務省家計調査ランキングでは、1位宮崎市、2位宇都宮市、3位浜松市でした。なお餃子のランキングはリンク先の「調理食品」のエクセルファイルから見ることができます。

3位でもすごいけど、首位奪還、頑張れ浜松!

出願人である間渕商店さんグループ内の「食堂まぶち」という飲食店では、色々な種類の変わり種餃子を提供しているようです。しかしサイト上のメニューからは「ピアノ餃子」らしきものは見当たりませんでした。

そこで「ピアノ餃子 間渕商店」とネット検索をかけてみると、まさに「ピアノ餃子」がクラウドファンディングされていたことがわかりました。なお、こちらの募集は2023年1月に目標金額をクリアしており、終了していました。

クラウドファンディングのサイトCAMPFIREより

白鍵と黒鍵を並べたイメージの餃子、まさに「ピアノ餃子」!

こちらのクラウドファンディングのサイト内の説明によれば、浜松の工業のシンボル「ピアノ」と、商業のシンボル「餃子」をかけ合わせることで、互いに手を取り合いながら、浜松を盛り上げていこう!という想いが込められているということです。

「ピアノ餃子」はお土産にも良さそうですし、浜松の餃子産業にも貢献してくれそうですね!

出願人の他の商標もみてみよう!

この出願人による他の商標出願にどのようなものがあるのかなと覗いてみたところ、とても美味しそうなものを見つけてしまいましたよ。

登録商標第6467765号公報より

何ですかこの、ロゴから滲み出る、美味しそうなスイーツの気配は?!

「ENTRE」と書いて「アントゥル」と読むそうです。美味しそうなチョコレートなどの洋菓子が売られていて、浜松駅から近いお店です。

ENTREさんのウェブサイトより

ほらー美味しそうー!!

先程紹介した「ENTRE」さんのロゴの商標ですが、出願後に一度「このままだと登録できませんよ!」という拒絶理由通知書が出されていました

その内容は、出願時の指定商品によるものでした。というのも、出願時の指定商品に「第30類の洋菓子」か選ばれていました。これに対し拒絶理由通知書では以下のように指摘されていました。

登録商標第6467765号経過情報の拒絶理由通知書より(下線は筆者によるもの)

この通知では、審査官が指定商品をこのように変えた方が良いですよ、と補正案のアドバイスまでくれていますね

この通知の後、出願人は指定商品を「チョコレート」と変更する「手続補正書」を提出し、こちらの商標は登録されました。

特許庁の審査官って顔が見えない分、何となく厳しそう、とか怖そう、というイメージがありませんでしたか?
拒絶通知が来た後、電話や面談などで相談をすることもできますし、話してみたら話しやすい方だなと思ったこともあります(もちろん人それぞれですが)。
恐れることなかれ!

まとめ

さて、少し話はそれてしまいましたが今回出願された「ピアノ餃子」商標は出願されたばかりで、その登録の可否についての審査はまだ始まっていないようです。

今後、この出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

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