「パリピ気分」の語が商標出願されました!-iPTimes.-
(この記事は、2023年5月7日に作成したものです)
こんな方に向けた記事です。
☆お菓子が好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ
本記事のここがポイント!!
突然ですが「パリピ気分」ってご存知でしょうか?
私は今回初めて知ったのですがなんだか楽しげなネーミングですね。
今回はこの新たな商標出願「パリピ気分」について詳しく見ていきましょう。
どんな出願?
今回出願されたのはこちらの商標です。
カラフルで陽気なイメージのロゴですね!
こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。この投稿に対して130件以上も「いいね」が押されていました。
この商標の出願人は「ユーハ味覚糖株式会社」です。
ユーハ味覚糖さんといえば、グミやキャンディなどのお菓子で有名ですよね。ウェブサイトを覗いてみるとありましたよ、「パリピ気分」!
まさに今回商標出願されていたロゴが用いられていますね。
実はこの「パリピ気分」、以前から話題になっていました。というのも、この「パリピ気分」はアルコールが2%入っているソフトキャンディーなんです。そのためSNSなどで若者達の間では、年齢確認なしで買えるのに酔える!などと話題となっていました。
この爆発的な人気を受けてか、NPO法人「アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)」の風間暁さんが、子供がこの商品を口にすることへの注意喚起をTwitter上でしていました。
【注意喚起】#酔えるグミ として一部で流行中の「パリピ気分」ですが、コンビニ等のお菓子売り場でも陳列されています。保護者が注意書きを見落とす恐れがありますので、販売店の方々には酒類同様の取り扱いを徹底していただきたいです。大人の責任として、子どもが口にすることを一緒に防ぎましょう。 pic.twitter.com/nmMOlEtEgn
— 風間 暁|Akatsuki kazama (@k6rm6) January 4, 2023
「パリピ気分」は、2022年12月5日に販売開始し、期間限定商品として出荷を終えて終売する予定だったそうです。しかしその人気のために、フリマアプリやECサイトでの転売が、販売終了から数ヶ月経った現在も行われています。
販売終了後に出願した意図は?
この「パリピ気分」、1月に販売が終わったはずなのに2月22日に商標出願とは、いったいどういうことなんでしょうか。
商標の出願意図を探るポイントとなるのは、出願時に出願人が選択する出願区分(商品カテゴリのこと)と指定商品・役務です。
これらはこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。
今回の出願「パリピ気分」の出願区分は、第30類(菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ)でした。
やはり菓子など食べ物が選択されていますね。
そして出願意図として考えられるのは以下の2つかな、と思います(あくまでも私の推測です)。
まず1つ目は再販の可能性です。しかしここまで批判を受けて、内容を変更せずそのまま再販するのはかなりチャレンジングですよね。未成年者が手にとっても安全なようにアルコール0%としたら、この商品の特徴が無くなってしまいますし、再販は相当な工夫なしでは難しそうだと思います。
そしてもうひとつは、他者に「パリピ気分」を商標出願されないようにするための防衛的出願の可能性です。現在もフリマサイトやECサイトでは(やや高額で)販売されています。その転売ヤーさんが「パリピ気分」を出願してしまうことを防ぐための出願ということです。
この出願後に「UHA味覚糖」さんからは特に何もコメントは出されていないようです。出願意図がいずれの理由であったにせよ、「UHA味覚糖」さんにとって「パリピ気分」が重要な商品であり奪われたくない権利であることに変わりは無いということでしょう。
まとめ
今回紹介した「パリピ気分」商標の今後の動向には注目ポイントが多くあります。
今後、この出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。
特許事務所で6年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。
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