新たな仮面ライダーシリーズ？な商標が出願された話-iPTimes.-

（この記事は、2023年6月11日に作成したものです。）

本記事のここがポイント！！

どんな出願？

今回出願されたのはこちらです。

こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。このツイートは2500件以上も「いいね」されていました。みんな注目しているんですね！

こちらの商標の出願人は「東映株式会社 」でした。

そして「ガッチャード」とはどういう意味なのでしょう。ネット上では様々な憶測が飛び交っていました。カプセルトイのマシン「ガチャガチャ」から由来している？ですとか、I’ve got you.（分かった！などの意）の略「gotcha(ガッチャ)」からきている？などです。

東映さんからは「仮面ライダーガッチャード」についての情報は開示されていないため、その真相はまだわかりません。

こちらの商標は2023年5月15日に出願されていて、同じ商標を区分ごと分けての出願です。

商標出願2023-52291〜2023-52312までの出願区分と指定商品を特許庁の検索サイトJ-platpatで調べてみました。指定商品はたくさん選択されていたので、各区分における代表的なものだけご紹介しますね。

第3類（せっけん類など）、第5類（薬剤など）、第6類（金属製金具など）、第8類（スプーン，フォークなど）、第9類（スマートフォン，コンピュータ用ゲームプログラムなど）、第10類（衛生マスクなど）、第11類（電球類及び照明用器具など）、第12類（航空機並びにその部品及び附属品，民間用ドローンなど）、第14類（貴金属など）、第15類（楽器など）、第16類（事務用又は家庭用ののり及び接着剤など）、第18類（かばん類など）、第20類（クッションなど）、第21類（化粧用具）など、第24類（布団など）、第25類（被服など）、第26類（テープなど）、第27類（敷物など）、第28類（おもちゃなど）、第29類（菓子など）、第30類（茶，コーヒーなど）、第32類（ビール，清涼飲料など）

区分ごと出願の理由は？

商標出願では選択する区分の数によって、その手数料が変わってきます。例えば出願費用は、3,400円＋（区分数×8,600円）となっています（特許庁　産業財産権関係料金一覧より）。

そのため今回のように出願した22区分をまとめて出願した場合は3,400円＋（22区分×8,600円）で合計192,600円となります。

一方、これらを今回の出願のように別々に出願した場合は12,000円×22出願で合計264,000円です。

7万円ちょっとの差がありますね。この金額差があってもなお別々に出願したのは、出願人が区分ごと別出願にするメリットに重きを置いたからでしょう。

区分ごとに出願すれば、選択した指定商品のうち、一部に拒絶理由があっても、拒絶理由がない区分についての商標登録は先に進めることができます。

拒絶理由通知が来たら、区分や指定商品を変更・削除する、あるいは登録すべき理由を意見書にて説明するなどして、登録になるよう手続きが必要です。そのため一発登録！な出願よりも登録までに時間がかかるのです。

もし拒絶理由通知に対応しても拒絶理由が解消されない場合は、本来なら登録OKなはずの区分についても、その商標が拒絶査定となってしまいます。

つまり、出願したどの区分でも構わないからこの商標を早く登録させたい、確実に登録させたい、という場合は、区分ごと出願の方がよいということです。

現在放送中のシリーズも出願されている？

ところで、現在放送中の仮面ライダーシリーズはご存知でしょうか。2022年9月からスタートしているこちらです。

この番組タイトルも商標登録されていましたよ。

「仮面ライダーギーツ」は2022年5月23日に出願されていました。

気になったのでもう1つ前のシリーズも探してみました。

こちらは2021年5月6日に出願されていました。そして「仮面ライダーリバイス」の放送期間は2021.9.5～2022.8.28です。

まとめ

今回紹介した「仮面ライダーガッチャード」の商標は出願されたばかりで、その登録の可否についての審査はまだ始まっていないようです。果たして本当に次のシリーズなのか？どんなヒーローが出てきてどんなストーリーなのか？も気になりますね。

今後、この出願が登録になったかどうか知りたい方はこちらの公開公報をこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

とまとん

特許事務所で６年間勤務。明細書作成や中間処理に従事。翻訳の仕事も請け負ってきました。元々はデザイン系専攻でして、図面を作成するのが一番楽しい時間です。現在はフリーで活動中。