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「ハンカチ王子」株式会社斎藤佑樹の新たな商標出願の話-iPTimes.-

(この記事は、2023年7月1日に作成したものです。)

こんな方に向けた記事です。
☆スポーツ好きな方へ
☆面白い商標出願に興味がある方へ

本記事のここがポイント!!

突然ですが「斎藤佑樹」さんをご存じですか?
かつて甲子園で大活躍した、あの斎藤佑樹さんです。
先日、彼の会社から新しく商標が出願されました。
今回はこの商標出願について詳しく見ていきましょう。

斎藤佑樹さんとは?

まずは簡単に斎藤佑樹さんについてのおさらいをしていきましょう。

斎藤佑樹さんは1988年生まれの元プロ野球選手です。早稲田実業時代に甲子園に出場、決勝戦では延長15回でも決着がつかず再試合となった末、駒大苫小牧を下して優勝しました。このとき駒大苫小牧は、あの田中マー君こと、田中将大選手が投手を務めていました。

この大会で斎藤選手はハンカチで顔の汗をぬぐう姿から「ハンカチ王子」と呼ばれました。この語は流行語にノミネートされるほどで、ハンカチ王子とマー君は一躍ブームに。

私も斎藤選手の早大学生時代に六大学野球を見に行きましたが、ハンカチ使ってましたよ。爽やかで強くて素敵でした!

その後斎藤選手は、2010年にドラフト1位指名で北海道日本ハムファイターズに入団しました。現在は、株式会社斎藤佑樹の代表取締役となっています。

ハンカチ王子ブームは商標の世界でも!

斎藤選手が甲子園を沸かせたのは2006年の夏のことで、その年の10月にはこんな商標が出願されました。

登録商標第5075379号公報より

斎藤選手はたしかに青いハンカチを使っていました。そのハンカチメーカーによる出願かな?と思い、出願人の欄を見てみると、びっくり!

出願人は「株式会社名水の里」でした。この会社は奈良県にあり、「日本名水百選」にも選ばれた五代松鍾乳洞の「ごろごろ水」や、その水を使用した美容液を販売しています。

商標「幸せの青いハンカチ」の出願区分は第32類で指定商品としてミネラルウォーターその他の清涼飲料,果実飲料が選択されていました。出願区分や指定商品はこの商標を出願した会社が、どんな商品やサービスでこのネーミング等を使いたくて出願したのかを知る手掛かりとなります。

なぜ水を販売する会社が「〜ハンカチ」という語を出願したのでしょう?

ホームページを見てもそのような名の商品は、現在売られていないようでした。
しかし検索を続けていると、この名のミネラルウォーターがかつて売られていた?と思わせるような、SNSへの個人投稿もありました。

ちなみに、斎藤選手が甲子園で使用していた青いハンカチは「ニシオ株式会社」さんによるものですが、現在、そのハンカチも製造を終了しています。

しかし当時はファミリーマートから「サンリオ」の「ハローキティ」とコラボした青いハンカチが、数量限定で売られる程の人気ぶりでした。

ファミリーマートのニュースリリース(2006年12月8日)より

やはり「幸せの青いハンカチ」はハンカチ王子関連の語だったんですね!
私の母も野球好きな父のために、当時、似たような青いハンカチをプレゼントしたそうですよ。

そしてニシオ株式会社さんからも「幸せの青いハンカチ」商標(登録商標第5046598号)は2006年8月31日に出願されており、登録されていました。現在は権利存続期間満了により抹消されています。権利期間を更新しなかったのは製造を終了したからだと思われます。

ニシオ株式会社さんは、「ハンカチ王子」という語も出願しています商標出願第2006-079631号)。出願区分は「ハンカチ」の属する24類でした。しかしこちらは拒絶査定となっていました。

他にも2006年には「ハンカチ王子」商標は、指定商品「ハンカチ」が属する第24類で複数出願されていました。しかしいずれも公序良俗違反などを理由に拒絶査定になっています。

「ハンカチ王子」の商標が公序良俗違反と判断されたのは、「この商標は斎藤投手と関係のない人が彼の人気に便乗しようとしたものといわざるを得ない」また「この商標の使用で斎藤投手の人気や評判が損なわれるおそれもある」という判断からでした。

今回の商標は、どんな出願?

さて、話は逸れましたが今回紹介したい商標はこちらです。

商願速報botより

ハンカチ王子によるハンカチ屋さん?気になります。
そもそもあの「ハンカチ王子」が「株式会社斎藤佑樹」を設立し代表取締役になっていたことにも驚きました。

こちらのTwitterアカウントは、最近出願された商標を呟いて教えてくれるアカウントです。こちらの呟きは200件以上も「いいね」されていました。

株式会社斎藤佑樹のホームページを見てみると、「SINCE2021.12.10」とありました。斎藤佑樹さんは2021年の10月に現役を引退しています。そのあとは解説やインタビュアーなどとしてテレビで活躍している姿をよく見かけますが、会社を設立していたんですね。

またこの会社と「ハンカチ店」との関連を調べていたところ、服飾雑貨の製造を行う「川辺株式会社」さんとの共同企画が始動するという広告を見つけました。詳細はまだ決まっていないと、このニュースのリリース時点(2023年2月1日)では書かれています。

そしてその後の2023年3月14日に、商標「斎藤ハンカチ店」が出願されたのです。

「斎藤ハンカチ店」は川辺株式会社さんとのコラボ企画の一貫かもしれませんね!

どんな企画なのか予想してみる。

「斎藤ハンカチ店」が何なのか推測するために、まずはこの商標の出願区分と指定商品・役務を見ていきましょう。

公開公報にはたくさんの指定商品・役務が羅列されていました。ここは気軽に眺めていただければ構いません。

商標第2023-026886号の公開公報より

※赤線部筆者

うーん。つまり「斎藤ハンカチ店」という実店舗あるいはネットショップを始めてこれらの商品を売るってことですかね。

そうですね!
当然かもしれないけど一番最初に「布製ハンカチ」が選択されていますね!

24類、25類として書かれている商品は「斎藤ハンカチ店」ブランドから発売する予定、あるいは既に売られている可能性があるものと思われます。

ちなみに25類の真ん中あたりにある「シングレット」とは、レスリングの選手などが着ている上下一体型のユニフォームのことです。ハンカチに留まらず様々な服飾品が販売されそうで楽しみですね。

35類には、商品を売るための品揃え、レイアウト、商品説明などを意味する「○○において行われる顧客に対する便益の提供」がたくさん選ばれています。24.25類で選ばれた商品を売るための工夫として、お店の看板や買い物袋、レシートなどにもこの商標を記載する可能性がありそうです。

どんなお店になるのか気になりますね!

まとめ

また今回出願された「斎藤ハンカチ店」の商標は出願されたばかりで、その登録の可否についての審査はまだのようです。

今後、この出願が登録になったかどうか知りたい方はJ-platpatをこまめにチェックしてみると良いかもしれません。

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